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雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史
 
 

雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 [単行本]

マイケル・ポーラン , ラッセル秀子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

全米で話題沸騰! 数々の賞を受賞した全米批評家協会賞最終選考作!

料理界のアカデミー賞とも言われるジェームス・ビアード賞最優秀賞(食関連著作部門)、カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)、北カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)を受賞し、全米批評家協会の最終選考作に選ばれた本書は、『ニューヨーク・タイムズ』の10 Best Books of 2006、『ワシントン・ポスト』のTop 10 Best of 2006、Amazon.comのBest Books of 2006に選ばれるなど、発売早々から各種メディアで話題の書として注目され、現在もベストセラーリストの上位にランクインしています。

健康食ブームなのに増え続ける肥満や糖尿病、旬に関係なく食材が並ぶスーパーマーケット、工業化する有機農業、便利で簡単に料理ができる食品の開発、農業収入では生活できない農家、経済効率を求めた大規模農場や単一栽培……。同書に描かれている内容は、もちろん、アメリカの食と農業についてのことですが、読み進めるうちに、日本も変わらないのではと思えてきます。

本書のタイトルにある「雑食動物」とは、植物でも動物でも何でも食べる動物、つまり私たち人間のことです。何でも食べることができるので、人間はどのような環境でも生きてこられたわけですが、同時に何を食べるべきなのかと頭を悩まし続けきました。コアラのようにユーカリの葉しかたべない動物とは違い、自らの健康や、地球環境に害を及ぼすものでさえ食べることができるのですからなおさらです。

私たちがいつも口にしているものは一体何なのでしょうか? それはどこからどうやって食卓まで来たのでしょぅか? 私たちが食べるべきなのは、簡単で便利な冷凍・加工食品なのでしょうか? オーガニックフードなのでしょうか? その答えを見つけるために著者は、4つの食事――ファストフード、オーガニックフード、フードシェッドフード、スローフード──の食物連鎖を追いかける旅に出ます。

いつもの食卓に並ぶ野菜や肉など、誰もが口にしている食べ物の食物連鎖を求めて、トウモロコシ農場から食品科学研究所、肥育場やファストフード店から有機農場や狩猟の現場までを案内し、私たちが正体を知らないまま口にしているものが何か突きとめます。

そして、最後にたどり着いた完璧な食事とは?

雑食動物を英語で言うとomnivoreですが、この言葉には、雑食動物のほかに、「幅広分野に好奇心を持ち、あるものは何でも読み、勉強し、概して吸収する者」という意味があります。私たちが食べているものの食物連鎖を知るということは、私たちが何を食べるかという選択が、地球温暖化などの環境問題にもかかわっていることも知ることになります。同書は、私たちの健康のためだけでなく、自然界の健康のために、私たちが何をどのように食べるべきかという知的好奇心を刺激してくれます。

内容(「BOOK」データベースより)

肥満の原因は何か?健康にも環境にも悪いものでさえ食べてしまう雑食動物の人間は何を食べるべきなのか。その答えを求めて、ファストフード、オーガニックフード、スローフードの食物連鎖を追う旅が始まる。全米100万部突破のベストセラー。

登録情報

  • 単行本: 302ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2009/10/23)
  • ISBN-10: 4492043527
  • ISBN-13: 978-4492043523
  • 発売日: 2009/10/23
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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33 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 すごい本が出た。, 2009/11/11
レビュー対象商品: 雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 (単行本)
アメリカ人の体は、何とトウモロコシでできているそうだ。
それは、冷凍・加工食品に含まれている添加物の大半が、トウモロコシからできているせいだという。それなら、添加物づけの日本人の体だって、きっと同じようなものなのではないか。

トウモロコシからつくられるブドウ糖果糖液糖(高果糖コーンシロップ)こそが、肥満や糖尿病の原因だ。そう著者は指摘する。ブドウ糖果糖液糖なら、日本の大半の加工食品にだって入っている。日本で肥満や糖尿病が増えているのは、もしかしてそのせいなのか。

私たちが口にしているものは一体何だろう。それはどこからどうやってきたのだろう。素朴な疑問を抱いた著者は、食べ物のルーツを探す旅に出る。
第1部では農場の飼料用トウモロコシが肥育場の牛の餌となり、マクドナルドのハンバーガーになるまでを追う。第2部ではオーガニック(大手有機食品企業と小規模な有機農家の両方)食材の出どころを訪ね、ディープな有機農家(農場主のサルトン氏は非常に魅力的な人物だ)で農作業をし、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでが描かれる。
第3部ではなんと自らハンティングに行き、キノコを採りサクランボを摘む。自分で手に入れた食材で、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」をつくる。

上下巻あり、読みごたえたっぷりだが、こういった翻訳本で省略されがちな参考文献まですべて丁寧に訳してあるのが嬉しい。文章が巧みでぐいぐいとひきこまれるのは、訳者の腕によるところもあるのかもしれない。読後は誰もが自分の食生活についてしばし考えることになるだろう。いや、しばらくは何も食べられなくなるかもしれない。現代人必読の、まれにみる名著だ。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 胃が…, 2010/2/10
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あぶはち (大阪府) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 (単行本)
記述の特徴として、まずさりげなく読者に投げかけて、「?」とさせておい
て、その後で「うーん、なるほど」と深い理解を得させる手法がとられ、
効果的です。
それにしてもなんかあの、この本を読んでからマク×ナル×のハンバーガー
を食べると胃の調子がおかしくなるようになっちゃって…。
多分年のせいでしょうし、それにこの本はアメリカの事情を書いているわ
けですからね。でもなんか…。
消臭剤に「トウモロコシ由来の成分」なんて書かれていると、やっぱり、
なんて思ってしまいますね。
一番えげつなかったのは、大規模養豚場では豚のしっぽを切り落としてし
まう、というくだりでした。
人が人に対していつまでも傲慢であり続けることはできない。これは歴史
が証明しているのですが、人間以外に対してはどうでしょうか。
一方、正しい意味でオーガニックであるために「配送するわけにはいかな
い。ウチに来てもらうしかない」と答える農場主。最初はこの意味が良く
分かりませんが、あとで胸のすくような見事な展開が見られます。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人は食べなければ生きていけない, 2010/10/7
レビュー対象商品: 雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 (単行本)
人は命あるものを食べなければ一日たりとも生きていけない。

他の命を奪うことによってしか生きられないという命の矛盾と罪深さに人は古くから思い悩んできた。

しかしその悩みは自らの命を絶たない限り解決はしないのだ。そんなジレンマから脱しようと人は様々な妥協点を見出そうとしてきた。

「人間だけが魂を持っているから」あるいは「神が人にそのような特権を与えたから」といった人間中心主義的な一神教的宗教観による妥協もあるだろうし、「人は罪深いものであることを認め、頂く命に感謝しつつ」等といった仏教的な妥協もあるだろう。

現代の食生活を支えている牛馬などの大量屠畜現場などを見ないようにして、スーパーのトレイに乗せられた処理済の「食材」から「他の命を食べている」といった嫌な思いを完全に忘れ去ってしまうという方法もあるだろう。

マクドナルドのハンバーガーセットを食べる時、人はこれが生まれながらにただひたすらにトウモロコシを食べさせられ狭い飼育場で強制的に育てられた牛を屠畜して得た肉と、巨大食品市場によって作られた野生のトウモロコシとは似ても似つかない品種改良トウモロコシの塊から出来ているとは想像しないだろう。

現代人にとっては人間が雑食動物であり、動物でも植物でもあらゆるものを食いつぶしてきたからこそ今65億もの人口が世界中に広がり、自然の本来あるべき姿を根本から変容させているのだという実感はない。

又、今や先進国における健康食ブームは異常とも言えるほどの広がりを見せているが、その一方で肥満や糖尿病は増え続けているし、高たんぱく高脂質の食事をとりながらも栄養失調だという人が増えてもいる。ここにも、人間が雑食動物であるがゆえに起きる食のジレンマがある。

上下二巻に亘る本書は、現代アメリカにおけるこういった食のジレンマ問題を著者自ら様々な現場に行き体験し、考えたという中々の力作だ。

第一部では著者はまず、飼料用トウモロコシの大規模農場を訪れる。見渡す限りのコーン畑で育てられるトウモロコシは農作物というよりは寧ろ穀物市場で取引される株や先物のようなコモディティーでしかないという実体、その現場で実際に起きている生産農家の疲弊と、大手食品会社の強欲なまでの経営実態、そしてそうやって得られたトウモロコシによって育てられ屠畜される牛馬の余りにも残酷な飼育現場といったものがかたられる。

第二部では第一部で語られた大手食品企業への反発からうまれた、オーガニック食品の生産と流通現場が、実はこういった有機農業市場そのものでさえ大量生産過程に巧に組み入れられていってしまうという矛盾を探り、又、徹底した自然農法を実践する有機農家に著者が住み込み、有機農業を実体験し、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでを描き、それでもまだ尚、著者の心にひっかかる人類の食のジレンマを語る。

第三部では現代アメリカの食生活の対局にあるとすら思える、自らハンティングに行き得たワイルドビッグ、自ら採取したキノコ、サクランボといった自分で手に入れた食材を使って自ら調理するという、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」の体験を綴っている。

食の安全について書かれた本は多いし、現代の食における問題を指摘した本も多いが本書はそういった類の本とは一線を画す出色の力作だ。
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