私は起業と店舗経営に興味があったので本書を入手した。しかし店舗経営のためのハウツー本ではないので、これから起業や新しく店舗をはじめようと考えている人にとって、参考になる部分を探すのは、正直言って難しいなあ、という印象。
例えば店を構える際の場所や立地条件の選定、業者や取引相手を選ぶ際の注意すべき点など、店舗を経営する際の基本的な事項が思ったほど書かれていない。仕入れや売り上げ目標について、せっかく書いてあるのに、常識的な事柄にしぼって書いてあるので、突っ込んだ記述がなく、残念に思うとこもあったり。
全体的な印象として、お店の「内部」や従業員の扱い方についての、天沼サンの持論の展開というところ。商品へのこだわりや陳列などへの配慮、また従業員に対する配慮などは、流石にきめ細かい所があり、いかにも女性らしいと感じる。この部分は参考になる人には参考になるだろう。
ところで、天沼さんの書いた文章の直後に何の断りもなく、新田恵子さんという人の文章が所々入っているので、誰の文章なのか分かりにくい。新田恵子という人が何者で、どういった経緯で、天沼さんの取材や本の構成をしているのか、まるで書いていない。
この本には後書きがないし、新田恵子氏の書いた部分の成り立ちが不明。天沼寿子と新田恵子との共著ともなっていないし、この2人は一体どういった関係なのだろう?
この本は全部で実質127頁しかないので、情報量はそう多くない。そのぶん余分なことは書いてないし、忙しい人でも全部読み通すのは楽だ。雑貨屋さんの仕事について、その雰囲気が知りたい人には良いと思うが、実際に経営をしてみようという人にはやや情報は足りないと思う。