本書について、多少否定的な見方があるのは、おそらく「1章までで読むのをやめちゃう」方がいるからではないだろうか。
たしかに1章は かなりつらいが、おもしろいのは2章からなのだ。
本書は、普通に雑談ができる人同士のために書かれてはいない。
自身のコミュニケーションスキルに苦手意識がある人はもちろんだが、逆に 相手がコミュニケーションが苦手な場合、ひいてはコミュニケーションを避けようとする人に、こちらが どのように声をかければよいのか、その最も大切な部分を理解するのに適しているのが本書である。
コミュニケーションが未熟な人を あたまからバカにするような人に、本書はまったく役に立たないだろう。
好きな人や仲のよい人となら、誰だってラクに会話ができるが、それを自身の能力と誤解している人は多い。
だが、問題はこちらに向こうとしない人を どう理解し、どうこちらに向かせるかだろう。本書はそのために書かれている。
交流を避けたがる人ですらも こちらに向けさせるスキル・すなわち 相手を選ばない双方向のコミュニケーション能力を身につけるにあたって、本書は良書である。