現地ではリアリティに拠っていたマルクス主義がリアリティ(の変化)ゆえに廃れてしまって、でも日本じゃリアリティが元からない(ハルマゲドンじみたおとぎ話?)ために生き残っちゃった、という感覚的に分かってたことが過程を省略せず、しかしこんがらがらずに説明しているスマートな語り口。現代思想というお化け屋敷の裏側を洗いざらいする知的ツアーっていうかな。中沢新一が東大を追われた“思想的”てんまつや、「大きな物語」の消失→若手学者が「監視社会」とかこぢんまりした議論しかしなくなった/「スター学者」を中心とした思想のカンタン化、がスッキリ整理された入門書です。もっとも「スッキリしすぎ」なので、これも一つの「物語」として鵜呑みにしちゃいけないんだろうけど。