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雁 (新潮文庫)
 
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雁 (新潮文庫) [文庫]

森 鴎外
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

貧窮のうちに無邪気に育ったお玉は、結婚に失敗して自殺をはかるが果さず、高利貸しの末造に望まれてその妾になる。女中と二人暮しのお玉は大学生の岡田を知り、しだいに思慕の情をつのらせるが、偶然の重なりから二人は結ばれずに終る…。極めて市井的な一女性の自我の目ざめとその挫折を岡田の友人である「僕」の回想形式をとり、一種のくすんだ哀愁味の中に描く名作である。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森 鴎外
1862‐1922。本名・森林太郎。石見国鹿足郡津和野町に生れる。東大医学部卒業後、陸軍軍医に。1884(明治17)年から4年間ドイツへ留学。帰国後、留学中に交際していたドイツ女性との悲恋を基に処女小説「舞姫」を執筆。以後、軍人としては軍医総監へと昇進するが、内面では伝統的な家父長制と自我との矛盾に悩み、多数の小説・随想を発表する。近代日本文学を代表する作家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 184ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2008/02)
  • ISBN-10: 4101020019
  • ISBN-13: 978-4101020013
  • 発売日: 2008/02
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 花逢
形式:文庫
百年近く前に書かれた本を現代に生きる私たちが読む価値はどこにあるのか?・・・漱石などにも同様に感じることがあるのですが,読み始めるとそんな講釈はどこかにいってしまうあたりにいつまでも読み継がれている理由があるのでしょう。「小説の読み書き』で佐藤正午氏が,たかが”鯖の味噌煮”ごときものが,男女の人生を狂わせるということについて,自らもそのアイデアを借用し書き上げた小説があると述べていました。「こんな話どこかで読んだことがあるなぁ」と高校生の時に初めて「雁」の読み終えたときに思いましたが,それは鴎外氏に対して失礼の極みというものだったのですね・・・前口上は別として,鴎外の作品にしては,読みやすく,なぜか何年経ってもあらすじを話すことができる作品です。高校の教科書からも消えつつあるようですが,是非,我が息子もいつの日か手にとり,携帯電話などない時代の明治インテリ人の恋の苦悩について思いをはせてもらいたいものだと願うばかりです。「取り返しのつかない一瞬は後から振り返ってわかるもの」という真理はいつの時代も変わらないものでしょうから。しかし,その一瞬を逃したことを”運命のいたずら”などという言葉で語ってしまうのは,結局,弱者の言い訳にすぎないのではないでしょうか。どうせ”運命”に”いたずら”されっぱなしの人生なら,次なるステージに起こる予測不能な出来事をしっかりと受け止める強さを信じたいと,今回云十年ぶりに再読し,高校生の時には感じなかった読後感を得られるのはやっぱり歳を喰ったせいかもしれませんね。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
石川淳なんかに言わせると児戯に類する駄作ということになっているが、そんなことはない。立派な小説だと思う。

第一、そういう石川淳の小説が、まあ、短編くらいなら我慢して読めるが、長編となると小説云々以前の問題で、読むに耐えないものが多いのだ。文章の技巧に頼り切ってしまって、人物や背景の描写に現実味が感じられないのである。

石川の小説は読者を選ぶという人もいるかも知れないが、それなら、そんな選民思想には付き合うつもりもない。もちろん、この『雁』は読者を選ばない、よく出来た小説だと思う。

東大医学部の予備門の学生である私の語りではじまるこの小説は、とにかくよく出来ている。冒頭の語りから、一気に読者は物語世界に引き込まれてしまう。

主人公の岡田やお玉はもちろん、脇を固める人々もなかなかよく描けていているし、あの辺はよく歩いたから、尚更この小説が身近に感じられるのかもしれないけれど、背景となる上野不忍池や無縁坂辺りの雰囲気がよく描けている。こういう部分は、時間がたつと違った価値が出てくるから、風俗描写を過敏に嫌うのは間違いだ。

学生である岡田と高利貸しの妾であるお玉は、はじめから結ばれることのない運命なのだろうが、鴎外はそれをふとした偶然の悪戯としてさらりと描く。そこに心憎い小説巧者の筆致を感じたものだ。

広辞苑を編んだ新村出は、高峰秀子主演の『雁』を観てデコチャンに夢中になり、70歳過ぎのやもめ暮らしの自宅に、電気釜やなにやらの、高峰秀子のポスターを部屋中に貼っていたというが、不忍池を背景とした美しい悲恋物に自分自身の学生時代の思い出が重なって、そんな奇行??に走ったのかもしれない。

『雁』を読んだら『青年』『ヰタ・セクスアリス』『独逸三部作』『渋江抽斎』あたりをお薦めする。神田に行くと捨て値で『鴎外全集』が出ているので、買ってきて、時間があるときにページを繰るのもよい。

鴎外というと、歴史物の短編が有名だけど、私は道徳の教科書みたいで苦手である。鴎外は教科書に載ることを意図して書いたのかもしれないけれども。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
無縁坂 2007/11/29
By 御奴
形式:文庫
銭湯帰りにふと振り返ったときに目が合うとか、格子窓越しに会釈をするとか、二人が静かに通じ合う場面が運命のように描かれていて、それが鮮やかで印象に残りました。無縁坂や不忍池のあたりを歩きたくなります。
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最近私は明治から昭和初期の小説をよく読んでいて、『雁』を読む前は谷崎潤一郎の『春琴抄』を読んだ。『春琴抄』は谷崎の代表作だけあって、非常におもしろく読めて満足した... 続きを読む
投稿日: 2009/10/27 投稿者: コバケン
作者の迷いが伝わってくる。
相変わらずの淡々とした文体が冴え渡っているが、
どことなく物語のバランスが悪い気がする。... 続きを読む
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投稿日: 2006/9/28 投稿者: 彗星
秀逸な心理描写、かわいらしい人物群
「私」の友人岡田の意中の人は高利貸しの妾だった。鴎外はどうやってお玉の心理を想像したのだろうか?心理の流れが実に緻密に描かれている。明治の庶民の暮らし。落語に出て... 続きを読む
投稿日: 2005/11/2 投稿者: isiyan
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