自由主義がとかく自由放任主義だと誤用される傾向が多いのですが、本当の自由主義は、
他者の自由を不当に制限しない範囲で、各個人が自由を自己責任で享受すること、
そのためには特定利益集団が権力を不当に得られないようにするために、権力の分散が必要であること、
更には各個人が競争を通じて、不断の努力を通じて個人だけではなし得ない発展を促進すること、
だとしています。
また、これらを継続して推進していくことは決して楽なことではないのですが、
それを避けるために競争を避けようとする資本家と競争を避けようとする労働者が手を組むことが、
その集団の権力を不当に強化し、他の集団の地位を強制的に貶め、それが全体主義につながる恐れがあることを、
相当な危機感を持って警告しています。
ハイエクの主張は全くの正論だと思いますが、
現在の各国の政治や国際経済を照らしてみると、ハイエクの危惧していることが着実に進んでいるように見受けられます。
本書を読むことで本当の自由主義の考え方を理解し、その上で日常生活で起きていることを理解することが、
今の時代にこそ必要なことだと再認識させられました。