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隣りの八重ちゃん [DVD]
 
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隣りの八重ちゃん [DVD]

逢初夢子, 岡田嘉子 DVD
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 出演: 逢初夢子, 岡田嘉子, 高杉早苗, 島津保次郎
  • 形式: Black & White
  • リージョンコード: リージョン2 (このDVDは、他の国では再生できない可能性があります。詳細についてはこちらをご覧ください DVDの仕様。)
  • 画面サイズ: 1.37:1
  • ディスク枚数: 1
  • 販売元: 松竹
  • DVD発売日: 2009/01/01
  • 時間: 77 分
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • ASIN: B001OZDZRA
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: DVD - 82,700位 (DVDのベストセラーを見る)
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昭和40年代生まれで、モロ戦後の平和教育という名の嘘で塗り固められた昭和史をかなり最近まで信じておりました。思想は勿論、軟弱な愛だの恋だのをいうのは怪しからんと言論弾圧されていたと思いこんでいましたが、リアル昭和9年のこの映画を見たら、そうではなかったと再確認いたしました。とても自由で普通で昭和初期の東京の風景が映画の中に出てきます。
登場人物もすごく自然体な演技で大仰ではなく見やすいです。逢初夢子のややぽっちゃり?ふとましい足や、制帽に制服姿、帝大生の恵太郎の詰襟…甲子園を目指す弟…。平和な日常に波紋を投げかける存在の京子役の岡田嘉子の独り濃い演技がとても印象に残ります(この映画の出演者で唯一知っていたのも岡田嘉子だけですが…)。京子の行方が?のままで終わるので、それが気になります。たぶん、本人が言っていた「カフェーの女給」だとかになっているんでしょうが…。
古い映画なので仕方がないと思いますが、画質と音声があまりよくありません。ぼやーっとした画像で、音も聞き取りにくい箇所がありました。
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東京(と思われる大都市)の郊外の新興住宅街の隣あった二軒の家族を描く物語。
この映画がつくられたのは昭和8〜9年頃だが、まだこの頃は戦争の足音も庶民には聞こえず、のどかな時代だったのだと思う。郊外の新興住宅街は意外にモダンで、和室がメインではあるが、洋間もところどころ見える。恐らくこのような生活を送れたのは日本全体から見ればごくわずかだったとは思うが…ごく一部ではあっても、このようなレベルの生活を送っていた層がいて、それをスケッチした映画が残っているのは貴重だと思う。

また、お隣同士が今の親戚以上の親密さで近所づきあいしているのも微笑ましい。お隣で遠慮なく食事したり、夜は旦那同士で一緒に飲んだり。ラストのシーンでもそれがうかがわれる。

映画自体はさすがに70年以上前のもので、やっぱり古い部分もあるが、それ程古さは感じない。ただ、八重ちゃんのお姉さんがどうなったのか…方向だけでも暗示しくれれば、観終わった後もっとすっきりしたかもしれない。
画像も音声もあまり鮮明ではなく、一部乱れている部分もある。このあたり、リマスターしたらまた違った印象になるかも知れない。

島津保次郎監督は、黒澤監督も評価していた(助手を務めていた木下恵介は随分意地悪されたようだが)し、若くして亡くなったが、もっと再評価すべき演出家かもしれない。
尚、吉村公三郎や豊田四郎が助監督を務めているのも興味深い。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
現存する戦前の小市民的世界を窺い知る映画作品は極めて少ない。これは戦災で多くの作品が消失してしまったことに加え、そもそも娯楽映画と言うものが日本人の保存の対象、として概念に及んでいなかったことに起因する。したがって市民の日常を記録した作品は、残存するだけで貴重、な意味を有するが、この昭和9年制作の映画も、往時の生活・風俗を記録したもの、として今日貴重な意味を持つ、作品である。
東京郊外に並んで建つ二件の家の、何気ない日常を表した作品であるが、戦禍の泥沼に突入する以前の小市民的生活の姿を反映したものとして価値がある。娘二人の服部家と、男兄弟二人の新海家は相対的関係として描かれており、お互いの家を自由に行き来することで近隣としての共同体、としての近所の存在を示すこと、現代では希薄になった地域共同体としてのかつての在り方を提示している。隣の家に上がり込んで飯まで食べてしまう新海家の長男も、その男に留守をまかせて買い物に出かけてしまう服部家の母親も、隣人と言うものに対する遠慮や警戒を知らぬこと、まさに地域としての非ー血族的関係の強靭さの関係としての繋がりの表れとして象徴的、である。お互い、「自分の家にいない男(女)兄弟の補充」として隣家の人間を求めること、現代には消滅した「地域共同体としての相互扶助」の概念の強固さが見られる。マンション暮らしの現代の私は隣の住人の名前も顔も知らないが、そんな疑似匿名性の横溢した現代とは対極の、相互依存の大きさが郷愁をそそる、ものでもある。
服部家の八重子もそんな新海家の恵太郎の許へ自由に出入りし、あたかも兄妹のような親密さを示すのも、「実際にはいない兄・妹」を希求する内的願望の表象であろうが、現に血縁の存在しない両者には多分に危険な関係性が暗示されるのも事実である。たとえば娘しかいない服部家の母親は「男の子はさっぱりしてるからいい」羨むと、息子しかいない新海家の母親は「うちの子だって近所の娘さんを傷ものにしやしないか心配で」やり返す件は、「一番先に傷ものにされるのは八重子じゃないか」という観客の心理を反映したもののように、思えるのである。
そんな間柄に、服部家の嫁いでいた京子が戻って来た、ことから波紋が広がり、あからさまに恵太郎に秋波を送る姉の様子に嫉妬の様子を隠せない八重子の姿はいじらしくもあり、また危険な兆候でもある。「京子がやけを起こさなければいいが」心配する母親の様子は、離婚した京子より世間知らずの八重子の方に相応しいのでは、思えるが、都合よく恵太郎にはねつけられた京子は家出してしまうことで問題を曖昧にして終わってしまう。「もう隣の八重ちゃんじゃないわ」最後微笑む八重子の言葉は、「姉が何処へ行ったか知れんのに、アンタ喜んでてええのんかい」という観客の心理を全く無視した結末で納得できるものではない。
実は服部家の突然の引越に象徴されるように、時代は暗い方向へ転がっていたのである。それを暗示しつつも、映画は暗くならず明るい内容に終始するが、はて家出した京子はどうなったのか(自分で言ってたようにカフエの女給にでもなったのか)、恵太郎と八重子のその後は、また甲子園を目指した精二の結果は、何ら示さず映画は終わる。これは現代から考えればその後の時代を考えて、無理やり幕を引いた、印象を与える。やがて男女の恋愛だの、野球だの言ってられない時代の到来の足音が、実に関係者の心に響いていたのだろう、そこで結末を示さず終わりにしてしまったのだ、穿った見方をしたくなる終わり方、である。
作品に自然な印象を与えるために登場する逢初夢子や大日向伝といった、新人に近いキャスティングが効を奏して演技に無理がなく、むしろベテランの岡田嘉子の演技の方が浮いている、印象を与える。土橋式トーキーが余り良く機能しておらず、画質・音質ともに良くないが、「平穏な日常風景のスケッチ」としての時代風俗を知る上で意味がある、ものである。
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