1990年ごろから著者が行ってきたフィールドワークの欠片。
冒頭の頃はこの人、今の私と同じくらいの年齢だったんだ。
内容には考えさせられる。
旧い誇りを取り戻せず、新たな希望を見出せず、ただ心を蝕む「退屈」の闇。
俺はこれが遠い外国の話だとは思わない。
価値観が多様化する時代だからこそ、拠るべきアイデンティティの喪失はどこでも起こりうる。
本書は、10年分の積み重ねからすれば僅かな断片でしかない。
しかも俺はこれを3日で読んだ。その程度で何が分かるはずもない。
それでも、本書からは“真実”の欠片を得ることができる。
全てを知ることはできなくとも、無知から半歩進むことができる。
最新の世相を映したものではないが、
時代を見る一冊として、広く読まれるべきだと思う。