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27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
エリートキャリアの警察小説。,
By はめじ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 隠蔽捜査 (単行本)
吉川英治新人賞を受賞しているのも道理。よくできた長編警察小説だ。警察小説といえば、古くは松本清張からずいぶん最近までノンキャリアの刑事(それも所轄)を主人公にしたものが多かった。 そこに警視庁の捜査課と所轄の対立うんぬんが導入され。 さらには、警察庁に属するキャリア警察官僚も登場するようになり。 キャリアの落ちこぼれを主人公にした「新宿鮫」の影響もあるだろう。 「踊る大捜査線」もそうだったし。 そこに事務方や監察官や女性警察官までを登場させてニュー警察小説と呼ばれたのが横山秀夫。 で、この「隠蔽捜査」は、エリート警察官僚小説なのだ。 主人公もそのライバルも上司も部下も、ぜーんぶキャリアのエリートばかり。 国家公務員上級甲試験とか'T種とかの合格者。そういう特殊社会での推理小説なんですよね。そこが面白い。 国松警察庁長官狙撃事件で小杉巡査部長の自白を闇に葬られた事例を下敷きにしながら、驚嘆すべきストーリーが生まれていく。 結末も洗練されていて、カタルシス十分。 堅物で変人のエリートが変容していくあたりも読みどころ。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
組織の危機管理の事例として,
By
レビュー対象商品: 隠蔽捜査 (単行本)
主人公警察庁官僚、竜崎伸也の人物像が前半から丹念に描写され、それが後半の山場に生きてくるのですが、もって行き方のうまさに好感が持てました。 作中の短い期間で主人公の結果の成否にかかわらず、何かを掴み成長する姿を描く ストーリーは私の好きなテーマです。 本作のもうひとつのテーマは、巨大組織における危機管理にあると思います。 組織の危機に対しとかく、「大人の選択」や「清濁併せもつ対応」が官庁のみならず 民間にあっても取られがちな選択となっています。はたして正論が通じない 危機に際して私たちは世の中のほうが間違っていると言えるか? どんな対応が正しいのか。どんな策を講じるにしても組織のコンセンサスと戦略が ものを言います。本作ではそのひとつの答えが提示されていると思います。 単なる警察小説としてだけでなく、企業で何らかの責任を負っている方であれば、 自分の部署がどんな選択を取るべきかのひとつの事例として読んでおいて 損はない作品であると思います。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
かなり魅力的な主人公で,
By
レビュー対象商品: 隠蔽捜査 (新潮文庫) (文庫)
最初はいわゆる推理小説というジャンルの小説だと思って読み始めたのですが、実際は全く違いました。竜崎という東大卒で国家一種合格の警察キャリア官僚が主人公なのですが、彼の生き様を描いた小説といえるでしょう。 実際、連続殺人事件が起こり、事件を中心に物語は展開しますが、警察長官官房という立場の彼が、実際に捜査に当たるわけではなく、マスコミ対応や警察という組織をどう防衛するかということがむしろ彼の仕事です。 警察の組織防衛とかマスコミ対応をするキャリア官僚の話?と聞くと、どうも感情移入できないと思うかもしれませんが、ここで彼を魅力的にしているのは、彼が、正攻法の人というか、ごまかしのない人、一切ぶれない人というところです。 なかなか組織にいると、おかしいと思っていても、上のいうことに従って信念を曲げざるを得ないことも多いと思いますが、彼は自分が正しいと思うことなら、一切他のことは考慮しません。 例え、自分の家族の問題であっても、決して原則論を曲げないのです。 この小説を読むと、自分も彼のように、正攻法、原則論で生きていきたいなと思い、ついつい応援したくなります。 大変楽しめました。おすすめです。 竜崎を主人公にした話はシリーズ化されていますので、続きを読むことをおすすめします。 隠蔽捜査→果断→疑心
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