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とくに、この本にまとめられているのは、主人公が精神的に弱い側面を持っていることが多く、それによって、小説の中の世界に奥行きが生まれている。
電車の中で読み終わり、ほかに本を持っていなかったので、最初の方をまた読み返したが、それでも面白かった。
主人公は何れも秘剣というべき技を持った剣士たちですが、秘剣によって出世を遂げているというよりは、常は、ごく少数の弟子にしか継承されない秘剣の存在を隠し、中級以下の階級で目立たず暮らしている藩士たちです。しかし、藩内の派閥争い等によって、仕方なく秘剣を使う羽目になってしまいます。当シリーズが剣客小説でありながら、単なるチャンバラものに終わっていないのは、主人公たちが秘剣を使わざるをえなくなるまでのドラマがいつもの筆致で丁寧に描かれていること、そして秘剣を使う場面での緊迫感という2つの側面を持っているからではないでしょうか。
また、結末も、爽快なものから、運命の酷さに悲哀を感じるもの等々、非常にバラエティに富んでおり、2冊、一気に読ませる本です。
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