初舞台がミュージカルの主役という順風満帆の芸能生活を送っていたのが一転、交通事故による後遺症を背負って生きて行かねばならなくなった若手俳優、柳浩太郎くんの自伝。
高次脳機能障害という障害を抱えて生きて行くことになってから色々と視点が変わったという部分の記述は是非たくさんの人に読んでもらいたいです。
障害を負うことに限らず、人間逆境にさらされることによって今まで気づかなかった色んな事に気づけるし、強く、そして優しくなっていけるのだと思います。
柳くんはそういう人です。
もともと前向きで負けず嫌いな性格だったというのもあるかと思いますが。
「でもボクはただ、今のボクにとっての普通を生きている。足元がフラつくから慎重に歩くけれど、それ以上でもそれ以下でもない。まっすぐにサクサクと歩けないだけで、ゆっくりなら、ひとりでどこへでも行ける。それがボクにとっての現実であり真実だ。かわいそうでもなんでもない。」
そうなんですよ、「普通」の基準なんて人それぞれ。
人よりちょっとハンデを背負ってるからって同情されても困るんですよね。
かといって蔑まれても心が痛む。
特性を認めつつ、サポートしてもらえる部分は支えてもらいつつ、普通に接してくれるのが一番なんですよね。
家族や周りの人に支えてもらい、認めてもらいながら自分らしく前向きに生きている柳くんを心から応援したい、と思える一冊です。