阿部さんの半生や伝えたいことを、フィクションを織り交ぜつつ小説のように描いた一冊です。
今までの著書に比べ、思い入れが強いと、ご本人がおっしゃっていました。
阿部さんの言いたいことをかなり正直に綴っているように思います。
巻末に、本来の自分に目覚めるためのポイントを整理して載せています。
ただ、フィクションにページの多くを費やしたたためか、目覚めのポイントの詳しい説明が足りない感があります。
そこが残念です。
これはしかし、仕方がないのかも知れません。
阿部さんは、「目覚めには決まった方法論がないんだ」とおっしゃっていましたから、説明には限界があるのかも知れません。
ご本人は、とても素晴らしい方です。「確かにこの人は、何かに目覚めているな」と感じさせるものがあります。
講演会などで、ご本人から直接お話をお聞きになることをお勧めします。
この本だけでは、阿部さんの伝えたいことを理解するのは、難しいと思います。
以下に、僕の心に深く響いた箇所を挙げておきます。
「(かつて売れっ子スターだった)自分を特別な存在だと思っていたまさにそのことが、もっとも愚かな思いこみだった」
「自分はただ当たり前の人間だった」
「人生のすべては、一から十まで、その本人の思いこみの産物だ」
「悟りとは『する』ことではなく『起こる』ことなんだ」
「それは彼方なるもの。・・・・それは因果関係を超えていて、ふいに訪れる」
また、阿部さんは禅を高く評価されており、この本にも禅について触れています。
禅の悟りとご自分の目覚めは同じものだ、と理解されているようです。