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階級社会 (講談社選書メチエ)
 
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階級社会 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

橋本 健二
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

今や日本は世界的にみても不平等度が高く貧困者の多い国である<本書第4章より>
一握りの富裕層が富を独占する一方で、職のない若者たちはアンダークラス化し、貧困層は増大し続ける。日本は今や階級格差の超大国であり、階級格差は今もなお拡大し続けている。衝撃的現実を客観的データに基づいてレポートし、現代日本に警鐘を鳴らす。

内容(「BOOK」データベースより)

一握りの富裕層が富を独占する一方で、職のない若者たちはアンダークラス化し、貧困層は増大し続ける。日本は今や階級格差の超大国であり、階級格差は今もなお拡大し続けている。衝撃的現実を客観的データに基づいてレポートし、現代日本に警鐘を鳴らす。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 236ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/9/9)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062583712
  • ISBN-13: 978-4062583718
  • 発売日: 2006/9/9
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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45 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
「格差」や「階級」をテーマに声高に不安感をあおる書物が多い中、ようやく落ち着いて読める本が出たと思う。長くこの分野を扱ってきた専門の研究者だけに、「階級」という概念規定があいまいでなく、しかもすっきりと説明されていて、一般にもわかりやすい。「労働者階級」「新中間階級」などの語は懐かしささえ漂わせるものだが、現代を斬る道具としても有効だと納得できた。

同じ著者による2001年の前著「階級社会 日本」とテイストは似通うが、その学説史や理論の部分を思い切ってそぎ落とし、さらにフリーター・シングル女性の貧困化など新しい問題が付加されている。学生を社会に送り出す立場からも興味深く読んだ。

だが本書の個性は、こうした目前の社会現象や東京・梶原一輝などの軽い素材を扱いつつも、問題認識が決して表層にとどまらないことにある。最終章の、「格差社会」の悪は経済問題というより「私には価値がある」という思い(自尊)を破壊することだという主張には、強いヒューマニズムを感じた。現状打開への実践的糸口も示されていて、読後感は「静かに鼓舞された」という感じ。新書に飽き足りなくなった読者層には是非おすすめしたい。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
堅い研究 2007/6/6
By SAH
形式:単行本(ソフトカバー)
流行の「格差社会」や「下流社会」という用語に対して新たに「階級社会」という用語を提示しているような本ではない。

著者は階級や階級格差を研究している社会科学研究者である。
そのためなのかやはり流行り本とは色合いが違い、
堅い内容の本と言えるかもしれない。
このような内容が流行る時代が訪れ、
このような内容を研究してきた著者にとっては絶好のタイミングで
社会貢献度の高い適度な一般書を世に出せたという感じ。

少々数字が多く、読むのに疲れはするが、
その堅さからか、読後の満足度は高い。
例えば教育格差の問題についても、
中学時代に同程度の学力であっても、
高等教育進学率では出身階層の差が非常に大きいデータを提示し、
学力を決定する重要な要因が、学校教育のあり方ではなく、
家庭の社会階層的背景であることを暗示している。

そして、教育学者たちがその結論を一般化して、
社会経済格差の拡大全般を論ずることを批判している。
まあ実際に教育問題を論じて、
それを社会経済格差を生む一つの要因としている学者はいても、
その格差の拡大全般を論じる学者はそういないと思うが。

最後の最後に
労働時間の短縮から格差縮小へ―
と具体策を提示しつつも、
人間に人間の社会を変えられないはずがない、
とある意味神頼み的なコメントを残すところにも、
この問題の難しさが表現されている?
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
この『階級社会』の著者の橋本健二の専門は理論社会学である。私は橋本健二の著作は『階級社会』以外にも『階級社会日本』『現代日本の階級構造』を10年ぐらい前に読んでいた。だから、『階級社会』もわりと抵抗なく読めた。

しかし、『階級社会』の内容にはマクロ経済政策への言及が見当たらないのが非常に奇妙に感じられた。

橋本健二は知識の量も非常に多いようだし、理論の理解もきちんとできているように観察できる。『階級社会』で用いられている理論は技巧的というのか非常に癖のある理論ですが、そういう珍しい理論が使用されている。

『階級社会』には、日本政府および日銀のマクロ経済政策の不適切さが、長期にわたるデフレを招来し、その結果として、フリーターと呼称される限りなく失業者に近い人々が日本社会のなかに目立つ存在として登場したのだという観察が欠落しているのが非常に気になりました。

デフレが発生し長期に及べば、失業率の数字が高めになりそれが長く続く、ということは誰でもわかるはず。そして非正規従業員やフリーターとされる人々が増加するのは、GDPが上昇せず、総需要が減少している不況下ではごく当たり前の現象である。だから、政府および日銀が適正なマクロ経済政策を実施しさえすれば、失業も非正規従業員もフリーターも減少するはずである。

私は『階級社会』を読んだときに、難しい理論が用いられているにもかかわらず、簡単なマクロ経済学の分析はされていないという内容に奇妙な印象を抱いてしまった。マクロ経済学を用いた観察が抜け落ちているのが不自然に見えました。

それから『アナリティカル・マルキシズム』にも執筆している橋本健二であれば知っているはずだが、労働価値説という概念は否定されているはずである。理論的には労働者は資本家階級と新中間階級のどちらにも搾取されてはいないということはわかっているはず。経営者が、市場で生産性の高い商品、つまりは消費者から当てにされる度合いの大きい商品の製造や販売を労働者に引き受けさせれば、その経営者の企業の収益が一応確保されるので、労働者の賃金や長期雇用の確保がしやすくなる。以上のケースとは反対に、経営者が労働者に市場で生産性の低い商品の製造なり販売をさせれば、労働者に支払う賃金の確保が困難になってしまう。労働価値説の否定は以上の説明でできているはずである。さまざまな条件を捨像すれば労働者は市場であてにされる度合いの高い商品を扱えるかどうかによってその賃金水準が決まると言える。その意味では労働者は搾取されてはいない。

だから搾取という概念で労働者等の所得を捉えるのはナンセンスにしかみえなかった。

橋本健二は学力、教育機会、地位達成についてはそれぞれ混同して捉えてはならないという重要な指摘をしている。

小泉のような有力政治家の息子であれば、成績がよくなくても大学へ進学できるし、政治家にもなれるからである。学力・教育機会・地位達成を一体のものと前提して論を組み立てたところに前原の敗因があった。(p192)

橋本健二は教育には階級構造なり格差を是正する力はあまりないと見ているようだ。

ただ私は『階級社会』の記述の中で

離婚率が1990年ごろを底に急上昇している(p171)

という記述を見たときには女性の教育機会の拡大と進学率の上昇が離婚率の上昇と関係があるのではないかと考えた。学歴が低い女性よりも、学歴を獲得している女性のほうが、相性のよくない結婚相手からの離婚が容易になるのではないだろうか。しかし、離婚率と女性の進学率の関係の分析が『階級社会』には見当たらない。学歴が不十分な女性が夫の従属者となり、その関係が固定化する傾向があたりまえになっている社会こそ問題である。離婚という選択肢が機能し、結婚中よりはいくらか貧しくなっても学歴のおかげで労働市場の中で自立でき、場合によっては再婚できる女性が増加しているとしたら、そのほうが喜ばしい社会のはずである。学歴はそういう形で階級構造に影響を及ぼすのではないだろうか。以上の推測が当たっているかどうかはともかく、そう考えてしまった。

それから、

自動車の売れ筋は低価格の軽自動車と高級車に二極分化傾向をみせている(p20)

という箇所を目にしたときには、私は、その傾向は日本国内の女性の普通免許保持者数の推移と関係があるのではないかと考えた。『交通安全白書〈平成23年版〉』などに記載されている、男女別、年齢層別の普通免許保有者数の推移を見ると、80歳以上の年齢層では男性の普通免許保有率は40パーセントだが、80歳以上の年齢層の女性の免許保有率は3パーセントであり、その年齢層では女性の免許保有率は低い。しかし、年齢層が若くなるにつれて女性の免許保有率は男性の免許保有率に追いついてくる。(40歳から44歳の年齢層では女性の免許保有者は90パーセントを越えている)。そういう数字になっていたはずである。だからかつては、自動車はおもに男性が使用していたが、年齢層が若くなるにつれて女性のドライバーが増加していき女性の自動車使用率も上昇していった。その結果、日本国内の軽自動車の保有数が増加していったのではないだろうか。当然のことながら、すべての女性が軽自動車を使用しているのではないだろう。しかし、軽自動車を使用している女性は多いはずだから、女性ドライバー数の増加と軽自動車数の増加には対応関係があるのだとしか思えない。そう推測しました。日本国内の運転免許の保有者数の年齢層別データには女性差別と女性差別緩和の歴史が刻まれている。自動車の売れ筋が高級車と軽自動車に二極分化している背景にはこういう事情があるのだと思います。自動車市場が二極化しているのは格差が広がったせいであると短絡しては物事が見えなくなるのではないだろうか。そういう感想も生じた。

いろいろ書いてしまいましたが『階級社会』は面白い本です。読めばためになります。
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