本当にここの出版社は要チェックですね。
どこでこんなに力のある作家さんを見つけてくるのでしょうか?
内容は、昭和20年〜40年が舞台の学生同士の話、兄弟物、芸能人物
表題作の「隅田川心中」シリーズ3編と書下ろしです。
表題作は、元落語家で今は不良の熊田と、日本語の通じない
大川のお話です。
それぞれに落語やどどいつが出てきます。
落語が分からなくても楽しめますよ。
個人的には、シリーズ2作目の「ごまとまぬけと」
が良かったです。
兄弟子の二徳のキャラがよかったですねぇ(熊田と一体何があったの?)
熊田が大川を連れて高座を見に来て、お師匠さんが「これ撒いとけ」と
ごましおをニ徳に渡すんですね。
つまり「まだゴマの部分は戻れる余地もあるって事じゃねーの?」という
ニ徳の台詞が洒落ていました。
あと、お師匠の「ついに恋人の性別すらテキトーになったのか」
には、笑いました。
熊田がどうして落語家を破門されたのか、その点はわからないので
ぜひ続編を描いてほしいです。
あとニ徳と何があったのかも是非書いてほしいです。
残念だったのが、表題作のシリーズが単行本の最初に入って
いなかったことです。
私は落語を全く知らないので、裏表紙のあらすじを読んで、
それぞれの作品のタイトルを見て、全部この元落語家の話だと
思ってしまいました。
1作目のタイトルが「あかぎくのうた」という、落語に
ありそうなタイトルだったので、疑わずに読んで、途中で
違うお話だと気付いて、ちょっと面白みが半減してしまいました。
短編の方は、なでしこGALAXYという、芸能人物の前後編が
斬新で好きでした。
この二人は、どちらが受なのかな?
激しいHシーンはありませんが、とても楽しめた一冊でした。
読み終わったあと、カバーをとってみてください。