市役所で働く成瀬、喫茶店主の響野、20歳の青年久遠、シングルマザーの雪子たちの正体は銀行強盗。現金輸送車などの襲撃には「ロマンがない」とうそぶく彼らの手口は、窓口カウンターまで最小限の変装で近づき「警報装置を使わせず、金を出させて、逃げる」というシンプルなものだ。しかしある時、横浜の銀行を襲撃した彼らは、まんまと4千万円をせしめたものの、逃走中に他の車と接触事故を起こしてしまう。しかも、その車には、同じ日に現金輸送車を襲撃した別の強盗団が乗っていた。
著者の持ち味ともいえるのは、コメディー映画のような軽妙なストーリーの中に、自閉症の子どもや、中学生のいじめといった、活劇とはそぐわないように見えるテーマを、違和感なく滑りこませている点である。社会から異端視されている者たちを、シニカルにではなく、爽やかに描いてきた著者は、本書においても「正しいことが人をいつも幸せにするとも限らない」と高らかに宣言する。どこまでも明るいギャング団の奮闘の影には、そんな著者からの深遠なるメッセージが見え隠れしている。(中島正敏) --このテキストは、 新書 版に関連付けられています。
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人並みはずれた動物好きの天才スリ久遠、限りなく精巧な体内時計を持つ雪子の4人組銀行強盗団です。
こう書くと、ひとクセもふたクセもあるキャラ設定に引いてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、
この作者の手にかかると、極上のエンタテインメントに仕上がってしまうから不思議です。
あとがきで、作者が「90分くらいの映画が好きで、この小説を書いてみました」と語っていますが!、
キレのいい会話(相変わらずの博覧強記っぷりです!)、巧妙なプロット、二転三転のストーリー展開といい、
読了後には、確かに上質の映画を観終わった後に感じるのと同じような爽快感・満足感が得られます。
ノベルズですから価格も廉価です。映画代の半分以下です(笑)。是非ご一読を♪
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