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陽の子雨の子
 
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陽の子雨の子 [単行本]

豊島 ミホ
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

思いがけない夏が、いま始まる。
私立の男子中学に通う夕陽、24にしては幼く見える雪枝、15で雪枝に拾われて4年になる聡。初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた……。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。
「アンタなんか捨てちゃおうと思うのよ」俺と住んで3年経った頃から、雪枝は何かとそういうことを言う。意地悪を言って俺の気を引こうとするのだ、とわかっていたから、大して気にかけることもなかった。この間までは。「夕陽くん」の存在する今となってはわからない。けれどひとまず、「去年から言ってるじゃん、それ」と突っ込んでみた。いつもなら雪枝は、今度こそ捨てるもん、段ボールの箱に入れて「さとし」って書いて捨ててやる、とか子どもじみたことを言ってふくれるのに、今日の雪枝はじっと布団の上の一点を見つめていた。俺が何もできずにいると、雪枝はぽっとつぶやいた。「聡、大きくなりすぎたよ」??<本文より>

内容(「BOOK」データベースより)

初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた…。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。

登録情報

  • 単行本: 210ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/3/28)
  • ISBN-10: 4062133687
  • ISBN-13: 978-4062133685
  • 発売日: 2006/3/28
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 693,750位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
雨が印象的な作品。雨が感じさせる特有の暗さと寂しさが全編に満ちています。物語の前半はありえないような展開でしたが、後半はこの本を読んで感じた寂しさの理由を知ることが出来ました。悲しい物語じゃない。ただ寂しさを感じずにはいられなかった。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
最近の作品と比べれば、この作品ではまだまだ登場人物の生き様のディテールが十分に埋まってはいない気もする。逆に言えば、この後、彼女は着実に描写力や、一人一人の人物造形において着実に実力をつけてきている。実際、処女作品から順番に読んでいけば、だんだん難しいストーリーを着実にお話として読ませる力を積んできていることがわかる。年下の男の子を二度までも拾ってしまう20代の女性の話だが、後から拾われる中学生はとても魅力的で生き生きと描かれている。その一方、先に拾われた男の子については、ずっと閉じこもったままの生活における未来への焦燥感は、まだ他にも描きようがありそうな気もする。特に後半にちりばめられたエピソードは、ちょっとごちゃごちゃして十分に消化されていない感じが否めない。とはいえ、全体的には豊島ミホらしい魅力に満ちていて、ファンならきっと楽しめる作品のはず。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
二人の少年の目を通して描かれるひとりの若い女性。

登場する三人の人物の誰を主人公と見なすか。この物語は、誰の物語なのか。本を閉じたあと、ふとそう思いました。答はすぐに出ました。

そして、巧妙な仕掛けをほどこした作者の力量に感服しました。

けっして同じものを書かない、これを書けば売れるといったものや派手な題材には安易に手を出さず、独自の世界を書きつづけてきた作者だからこそ生み出せた裏技的ニート小説の傑作ではないでしょうか。

この作品には、人が生きていく上で(そして幸福をつかむ上で)必要なものが三つ提示されています。「仕事」と「志=夢」と「一緒に生きていく誰か」。ラストの眩い空が印象的。ニートなんてありえない、と思いました。

『檸檬のころ』でも見せてくれた心に染み入る文章も素敵です。
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