作者いわく「BLの縄文時代」の15年前(笑)、リアルタイムでこの作品を読みました。
当時も心に強く残った、お気に入りの一冊でした。
まさか復刊されると思わず、
今回のリリースは半信半疑で手に取ったのですが、読んでみて正直驚きました。
加筆修正をかなりされているのに、初版からの違和感やズレを全く感じません。
最近増えている過去作品の復刊・加筆修正は、
どうしても印象の変化や違和感が多少は発生してしまうのに、
全く揺るがない芯の強さは、この作者の力量のなせる技だと思います。
戦争モノだからと避けている方がいたら、すごくもったいない。
バイク陸王に跨る異色の将校藤堂と、軍人を死ぬほど嫌う美貌の記者折原。
魔都上海を舞台に、戦争末期という時代背景こそあれど、
どこか静けささえ感じる、二人の生き様を描く深いドラマです。
15年前はこのラストの一章が蛇足に感じられたのですが、
加筆され、あらためて読むと、
作者がこの物語で伝えたかったテーマがより深く味わえ、
当時の読み方は浅かったな、と反省しました。
惜しむらくは、今回も削られてしまったエピソードがあるということ。
ぜひとも、それも含めて読みたかった!