最近の安倍晴明ブームや、風水・占いブームで、陰陽道が流行っているが、それはなんだか分からない昔のオカルト、という捉え方の上でである。そうではなく、陰陽道が実際どういうもので、中国の道教と日本の古神道からどのように発展し、日本の歴史の中でどのような影響を与えて来たかを平易に解説した書。入門書としては良い。
しかし、難点もある。著者は神道家であるので、陰陽道の「鑑定」なども信じている感があるが、「鑑定実践」の地震予知などはどうかと思う。昔は観測しようもなかった天王星・海王星・冥王星を挙げるのはともかく、惑星の並びによる「引力バランス」の崩れにより地震が起きるというのは、近年占星術が科学的に見せようとでっち上げた話で、そもそも引力とは関係ない「方位バランス」を鑑定に使うものであったはずだ。また、阪神淡路大地震を例に挙げて、陰陽道の鑑定と半月のずれだった、というのには、大抵の読者は退いてしまうのではないだろうか。
陰陽道を手っ取り早く知りたい、という人にはいいかもしれない。