登録情報
|
「5青龍→3六合→4勾陣→1騰蛇→2朱雀→10大裳→11白虎→8大陰→12天空→7天后→9玄武→6貴人」
すると、背表紙に施された巻数表示中央の北斗七星と、下の6本線(易の十二月卦)が、ちょうど一巡りしていることが分かると思う。つまりこの漫画は、最初から魔術漫画として刊行されていた、というわけだ。
岡野玲子は夢枕氏よりも熱心に、陰陽道思想そのものに果敢に取り組み、その根本が数学的・天文学的美しさにあることを見出した。その具象化としての漫画表現が難解になることはむしろ当然で、この偉業に対する正当な評価は、後世の漫画評論家や文化人類学者によって注釈が加えられるまで待たなければならないだろう。
原作の飄々とした雰囲気から離れてしまったものの、これぞ岡野玲子にしか描けなかった「陰陽師」であり、またこの方向性において、岡野玲子を超える陰陽師作家は、当分現れないに違いない。最終刊が待ち遠しいところである。
すでに晴明は自らを陰陽師ではなく「魔術師」と名のり、「時」をつなごうと画策します。数秘論的におおきな意味をもつギリシャ、そしてアレキサンドリア図書館!などが描写され、岡野さんがぎりぎりの賭けに出たな、という感じがして別の意味でも胸が高鳴ります。そして海からやってきた童満。その出現の仕方はボッティチェリの描くアフロディーテのようです。しかしはるかに暗く、怪しく、禍々しい妖気に満ちているアフロディーテ。絵の圧倒的な表現力においても、漫画史に残る最高到達点に存在しているこの作品のクオリティーをあらためて思い知らされる瞬間です。後は13巻において、岡野さんがもくろんだことの全てが明かされるのを待つのみです。期待しています。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|