シリーズ3巻目ともなると、若干、過去を振り返る作品が増えてくるようです。また特定の日時が指定されている作品もいくつか見受けられます。結果としては、かなり時代が前後する作品が含まれています・たとえば、「内臥しの巫女」は968年と例示されていますし、「ものや思ふと」は962年の作品です。また過去に登場した人物(八百比丘尼、道満、智徳法師)たちが、再登場しているのも3巻目から見られる現象です。また、当時の権勢を握る政治家、兼家、兼通なども事件解決の依頼者や事件の陰の黒幕として話に関わり始め、晴明も政治的な立ち居地を気にせざる得なくなってきているようです。「ものや思ふと」は歌合せと和歌の創造に関わる面白い視点を提供しています。