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陰獣トリステサ---綺想ロマン傑作選
 
 

陰獣トリステサ---綺想ロマン傑作選 [単行本]

橘 外男 , 澁澤 龍彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

伝奇ロマンの達人が、西洋、南米を舞台に、人間の根源的情念の深奥を、異国情緒あふれる冒険小説のスタイルで描く。表題作他、「青白き裸女群像」「妖花イレーネ」。

内容(「BOOK」データベースより)

澁澤龍彦が「人獣交合の描写のエロティシズムとグロテスクぶりにかけては、この橘外男の『陰獣トリステサ』以上のものは、まだ世界のどこの文学にも現われていないようだ」と絶賛した表題作ほか、綺想の傑作『青白き裸女群像』『妖花イレーネ』を一挙収録。

登録情報

  • 単行本: 355ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/6/11)
  • ISBN-10: 4309019870
  • ISBN-13: 978-4309019871
  • 発売日: 2010/6/11
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 517,041位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mutantmogura トップ1000レビュアー
本書は、桃源社版作品集「青白き裸女群像」の改題新版である。
収録作品は、桃源社版と同じ、表題作、「青白き〜」、および「妖花イレーネ」の三作である。

いずれも、橘外男の妖しい作風を堪能するのには十分だ。
残念なことは、著者の怪談、「逗子物語」や「蒲団」などが収載されていないことであろう。
そう、著者は怪談作家としても、非常に優れている。
「私は呪われている」は「怪猫お玉が池」のタイトルで映画化もされている。

本書収載の「青白き〜」も、天知茂主演で新東宝で映画化された。
タイトルは「女吸血鬼」だったと思う。
また、「地底の美肉」のタイトルで、舞台を変更して自身がリライトしたことも有名である。
業病の男が、美女を誘拐しては地底に閉じこめ、自分と同じ業病に罹患させてコレクションするという、犯罪実話のような作品だ。
「陰獣トリステサ」は人獣混交ものとして有名であり、池上遼一によりマンガ化もされている。
そして「妖花イレーネ」は、ある種の怪物譚といえるだろうか。
本作はもちろんエーヴェルス「アラウネ」からインスパイアされたものである。
エーヴェルスの作品は、「妖花アラウネ」のタイトルで映画化もされている。

いずれも、著者独特のエロティックな描写が特徴であり、また持ち味でもある。
この下世話なくらいのエロ描写を許容できる読者には、本書収載の作品は、とてつもなく面白い。
それは、著者のストーリーテリングが巧みであり、また異国情緒たっぷりの作風によるのかもしれない。
どこか、他人事のような、身近ではない話として感じる。

著者の作品はなかなか手に入りにくいのだが、しばしば本書のように、不意に刊行されることがある。
まとめて読むのには、「橘外男ワンダー・ランド」6巻があり、それは怪談からユーモアものまで、幅広いジャンルの作品を網羅している。
私は、著者の作品を桃源社版で最初に読んだため、著者の作品に対するイメージが、陰湿でエログロでといったものになってしまった。
だが、著者には秘境ものや怪異譚ものなど、実にさまざまなジャンルの作品がある。
それを知っていて本書を読むのと、知らないで読むのとでは、作品から受ける印象が全く異なる。

だから、本書は、ある程度著者の作品を知っているひとに薦めたいが、初体験というひとには、著者のイメージを妙にしかねないので、あまり進めたくない。
そんな作品集である。
もし覚悟があるのなら、橘外男初体験でもどうぞ。
間違いなく、著者の熱気にうなされる一冊である。
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By 閃閃 トップ500レビュアー
収録されている3作品はどれも特異なエログロ趣味に溢れた内容で、強烈な読後感を味あわせてくれます。

「青白き裸女群像」は冒頭からの怪奇性が抜群で、古めかしい探偵趣味とともに、グロテスクな地底の魔界へと辿り着く物語に引き込まれてしまいます。
「陰獣トリステサ」は、巻末の解説で内容(獣姦)の想像はついたのですが、一番印象に残ったのは、主人公の男の悲惨さです。醜い犬と同等だとされ憤怒した男が、実は妻にとってはそれ以下の存在であったと知った時に、ついに理性が崩壊してしまう様は圧巻です。それでもなお、妻を最愛の女と言う男の哀れさと不思議さが、最後に悲しい余韻を残します。
「妖花イレーネ」は、SF風怪奇探偵小説とでも言うべき作品で、ちょっと海野十三の作品を思い出させます。でも肝心のイレーネがあまり登場せず、絶世の美女としか描写されないのは不満です。そうでなければ、結末での彼女の運命に対する読者の感じ方が、もっと違うものになったと思います。

3作品ともに、美しい女性を悲惨な目にあわせるのは共通していて、どれもが常軌を逸した酷さです。
こんな作品を書かせた執筆当時の著者の心風景とは、どのようなものだったのか、考させられてしまいました。
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