D県警を舞台にした短編集。
警察のどちらかといえば、デスクワーカに光を当てた話。
他の短編で主役だった登場人物が、
他の短編で脇役として登場する、といった仕掛けがあり、
短編集でありながら、1冊の小説としても楽しめる。
また、この仕掛けによって、脇役登場の部分でも
登場人物の県警での位置などを知ることができ、
また始めから、読み返したくなる。
設定のせいか、地味なのだけれど、ものすごく面白い!
登場人物たちを入れている箱が、
警察という特殊な世界であることが売りではない。
丁寧に、人間の心理を描いてある。
ここが、本書の『うまみ』そのものであり、
「全く新しい警察小説」を成功させた部分だと思う。
ちなみに本書は、ドラマ化された『顔 FACE』のシリーズ第一弾。
『顔』の主人公・平野瑞穂が主人公の『黒い線』収録。