ジーンズ姿でアコギを抱えたその佇まいからフォークロックっぽいメッセージソングを歌うよう
なタイプかな、と勝手に想像してしまいましたが、いざ聴いてみると中低音で浮遊感のある
ヴォーカルと決してはしゃがないギターフレーズは、はっぴいえんど の「12月の雨の日」や
「氷雨月のスケッチ」みたいな灰色に曇ったどっしりと重い空を思わせるような世界観を纏って
いたり、ごく初期(「水」あたり)の さかな のサウンドを思わせるようなアンビエントさを感じたりと、
どちらかというと外に向けて発信するよりも内面に潜るタイプのような印象を受けました。
決してポップな音楽ではないですが聴くのが億劫になるような重さではなく、むしろメロディに
身を任せる安堵感さえ感じたりします。今のライヴシーンの女性ヴォーカルで似たような
タイプって思い浮かばないですね。独特の世界がすでに彼女の中で出来上がっている
ような気がします。前述の2バンドに惹かれる方はもちろんのこと、意外とスピッツが好きな人
が波長が合うような気がします。(根拠とか確証はないですが)。ご本人のHPで試聴できますよ。
ちなみにメジャー進出となる「群青」ではもう少しストレートな(言ってしまえば "売れ線" の)
ヴォーカルに移行します。メジャー活動の中でシングルとアルバムの作品を上手く棲み分け
て、決して本作の世界観は捨てないでほしいな、と思います。