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阿片王 満州の夜と霧
 
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阿片王 満州の夜と霧 [単行本]

佐野 眞一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

満州には、「戦後」の核心が眠っている―。策謀渦巻く満州帝国で、最も危険な阿片密売を平然と仕切って巨額の資金を生み出した里見甫。その謎に満ちた生涯を克明に掘り起こし、麻薬と金に群がった軍人、政治家、女たちの欲望劇を活写する。今まで誰も解明できなかった王道楽土の最深部を抉り出した、著者の最高傑作。

内容(「MARC」データベースより)

策謀渦巻く満州帝国で、最も危険な阿片密売を平然と仕切って巨額の資金を生み出した里見甫。その謎に満ちた生涯を克明に掘り起こし、麻薬と金に群がった軍人・政治家・女たちの欲望劇を活写する。

登録情報

  • 単行本: 443ページ
  • 出版社: 新潮社 (2005/7/28)
  • ISBN-10: 4104369039
  • ISBN-13: 978-4104369034
  • 発売日: 2005/7/28
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.8 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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34 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ノンフィクション・ルポ・ライターとして超一級の作者が,昭和日本の国を挙げての阿片取引の実態に迫るべく,その中心人物,里見甫の生きた世界を丹念に追う。
まさに足で書く著者佐野であるが,里見の世界はあまりにも広すぎた。追っても追ってもたどり着くところがない。里見遺児基金名簿を中心に,さまざまな人が,組織が,出来事が,断片的に次々に現れるものの,佐野をもってしても,それらの点が最後まで線になることはなかった。遂には梅村淳の「レズビアン関係」に憑かれるように,佐野の視点は彼方へと消えてしまう。
本書は,里見遺児基金名簿から,日本の阿片貿易の全容に迫ろうとする労作ではあるものの,名簿を追いかけるばかりで,結局,阿片貿易とは,先の大戦とは,昭和とは,日本とは,など,語りたかったろうところに全く届かない1冊となってしまった。
そんなわけで私は読前読中の興奮と,読後の虚脱感のギャップにマイってしまいました。
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30 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 このルポは、里見の晩年の秘書、伊達弘視が秘匿する里見の口述ノートを入手出来ていたら、まったく様相の違ったものになっていただろう。著者は埒の明かない伊達との交渉に見切りを付け、里見遺児奨学基金発起人名簿に掲げられた人物達を虱潰しにあたり始める。読者は、このわずかな糸口から、「阿片王」と言われた里見甫の実像に著者がどこまで迫れるのかというゲームに共犯的に加わることになる。
 このゲームに於いて、著者のプレイヤーとしての態度は誠実極まりない。事実のみを提示し、決して事実と事実の間を虚構の物語で埋めようとはしない。事実と推論を読者にはっきり判る形で示していく。これが佐野眞一の流儀なのだと思う。だから、このルポはあらかじめ起承転結が構成案に盛り込まれたお手盛りの出版企画ではないし、エンターテインメントとしてははっきり言って失敗作だろう。事実、ここを攻め崩せれば里見の実像に一気に迫れるという謎の女性達にあまりに拘泥してしまい(せざるをえず)、結果的に里見の実像にたどり着けずに終わってしまっている。ただ、自分ひとりの力だけで、一冊の著作の中だけで、完結させようとはせず、知り得たこと、知り得なかったことを包み隠さずに記述していく著者の姿勢には共感する。これは、歴史を次代に伝えていく上で、プレイヤーが守らなければならない最低限のルール(鉄則)なのだ。
 本筋とは関係ないが、里見の満州国通信社設立のくだりに於いて、通信網(マスコミ)の特権性とは「情報発信力」ではなく、むしろ「情報収集力」にあるのだ、ということを再認した。
 また、団塊世代である著者から、戦後60年を全否定するような記述がしばしば見受けられるのが少し気になった。自己否定的ではなく、まるで客観的な書き方に感じられたので。戦後を引っ張ってきたのは、紛う方なく無く団塊世代の人達なんだから。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
満州の阿片王・里見甫を、晩年に得た遺児の育英資金の奉加帳を手掛かりに関係者に一人一人当たり、謎の多かった人物像を再構成してみせる。戦後半世紀余が過ぎ、殆どの関係者が鬼籍に入り調査は難航するが、それでも筆者は諦めず、関係者から縁者へと手掛かりを広げて行く。正に最良のサスペンス・ドラマを見るようで、分厚いハード・カバーも一気に最後まで読んでしまった。
著者の調査能力には脱帽の他はない。
佐野には珍しく無頼の里見に対して思い入れが強いが、筆一本で世に立ち向かっている自身を投影しているのであろうか?決して嫌味にはなっていない。
阿片を道具に満州支配を謀った東條英機、岸信介たちは、いまその子孫によって必死の再評価が試みられているが、そういう世相に冷水を浴びせる一冊でもある。
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