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阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫)
 
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阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫) [文庫]

佐野 眞一
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

アヘンを制するものは支那を制す。中国人民の尊厳と国力を奪うアヘン密売の総元締めとして、満州における莫大な闇利権を一手に差配し、関東軍から国民党までの信を得た怪傑・里見甫。時代の狂気そのままの暴走を重ね、「阿片王」の名をほしいままにしたその生涯を克明に掘り起こし、「王道楽土」の最深部にうごめく闇紳士たちの欲望劇のなかに描き出す構想十年、著者の最高傑作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐野 眞一
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 579ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/7/29)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101316384
  • ISBN-13: 978-4101316383
  • 発売日: 2008/7/29
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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34 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
まず文章がヒドい。「耳が勃起する」という表現が出てくる。読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど劣悪な比喩である。これだけでも読む気を失ってしまう。 さらに、「夜の帝王」「男装の麗人」といった人物形容がやたらと出てくることが気になる。陳腐な比喩が使われる度に人物像が薄っぺらになっていく。 表現だけでなく構成もよくない。3章になってようやく里見の物語が始まるのは回り道しすぎだと思う。 取材過程を見せることがこの作者のスタイルだが、そこでも寄り道のし過ぎがある。例えば五味川純平などはまったく関係ない訳だ。 そして文章以上に批判すべきは、作者の姿勢だ。 登場人物を「畜生」「怪物」「人倫にもとる」などと批判する。 その批判する姿勢には一点の疑いもない。 里見たち登場人物の人間性を否定すればするほど、著者や読者を含む一般人とは違う特異な人間であることが強調され、『阿片王』で扱われる歴史に普遍性がなくなっていく。 これが、この作品の決定的なキズである。
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36 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
まったく評価できない。自信満々に書いている断定的記述に客観的な事実として間違った点が多い。例えば辻政信がノモンハンやガダルカナル、インパール作戦を指揮した・・・うんぬんの記述があるが、辻はインパールとは無関係だ。昭和通商が公的文書に一切出てこないという記述についても、「あるよ」と言っておこう。また、ソ連侵攻のさいに関東軍は12トンの阿片を日本国内に運び込もうとしたがGHQの知るところrとなり・・・うんぬんの記述については、歴史を語る資格さえない。ソ連侵攻は1945年の8月、GHQは戦後の日本統治のための連合国の組織だから、錯誤として済ますにしてもあまりにお粗末極まりない。40ページで読むのを止めた。これ以上読み続ける価値がない。歴史の迷路ではなく、書き手の中の迷路をともに彷徨いたい暇な人にお勧め。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
戦前、戦中の中国における旧日本軍とそれに群がる政商の闇の動きを戦後60年経って明らかにしようとする試みに拍手は送るものの羊頭狗肉の感は否めませんでした。

阿片栽培とその密貿易に日本軍が関与し展開したのは多くの資料と証言から明らかになりつつあります。その王道ともいえるアプローチとは別に、阿片王と呼ばれた里見甫の存在を浮き彫りにして知られざる満州の闇利権を白日の下にさらすという意気込みは買いますが、肝心の里見甫の動きがもうひとつ明白にならなかったため、肩透かしを食った気分です。175ページあたりの阿片ビジネスに関する記述を展開してもらうことに期待したのですが。宏済善堂と秘密結社・青幇の頭目の盛宣懐の甥の盛文との関係の掘り下げがあれば、この闇のビジネスの全容が見えてくるのに、と読みながらやきもきしました。

第9章、第10章の相馬ウメ、梅村うた、梅村淳に関する記述は、確かに里見甫の女性遍歴の証明に生り得たでしょうが、阿片売買の実像に迫るアプローチからはどんどん遠ざかっていくばかりで、読者の関心と筆者の関心のずれが酷くなっていきます。何かしら、結末らしき大団円を期待していた向きには、消化不良の感が残りました。

甘粕正彦、児玉誉士夫、阪田誠盛、岸信介、笹川良一、東条英機、松岡洋右、橋本欣五郎などとの地下人脈についても記載があったものの、日本軍部との関係にはもっと鋭く迫ってほしかったというのが偽らざる感想です。

とはいえ、丹念な取材と多くの関係者との接触によって、満州の裏面史のような記述は、今後の他のアプローチの参考になりましょうし、物故者の最期のコメントは貴重なものとなりました。闇の世界に目をむけ、しっかりとターゲットを追おうとした姿勢は大いに評価すべきだと思います。
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