原作が原作だけに漫画にして大丈夫かと思ったが成功作だと思う。
・原作との相違は、当然だが作中に原作者がいることで、本人の表情を外から見ることが出来る。また、例えばコマの大小が、原作をデフォルメさせている。このデフォルメが秀逸で、またデフォルメのポイントを原作と少しずらしたところもあり、原作の意外性や隠れた本性をあぶり出している。
・車輌や駅などはおそらく適切な助言を得られたものと思う。ただし(原作もそうだが)多数描かれているわけではない。しかし、今ではイメージしにくくなった当時の状況を、写真ほど生々しくない範囲で想起しやすくしているし、向いた画風である。
・原作を100%絵にしたわけではないし、当然画面に書かれている文章も原作の一部だが、手軽に読める。ただし決して軽薄ではない。
なお、ト書き・台詞(=原作の文章)は旧字旧仮名ではないので、その一事が万事の人は読まないが吉。