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阿弥陀堂だより (文春文庫)
 
 

阿弥陀堂だより (文春文庫) [文庫]

南木 佳士
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

忘れていた 真摯に生き人生を慈しむこと
作家として自信を失くした夫と、医師としての方向を見失った妻は、山間の美しい村でふしぎな老婆に出会う。人生を問い直す傑作

内容(「BOOK」データベースより)

作家としての行き詰まりを感じていた孝夫は、医者である妻・美智子が心の病を得たのを機に、故郷の信州へ戻ることにした。山里の美しい村でふたりが出会ったのは、村人の霊を祀る「阿弥陀堂」に暮らす老婆、難病とたたかいながら明るく生きる娘。静かな時の流れと豊かな自然のなかでふたりが見つけたものとは…。

登録情報

  • 文庫: 237ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2002/08)
  • ISBN-10: 4167545071
  • ISBN-13: 978-4167545079
  • 発売日: 2002/08
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 150,100位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By neko123
形式:文庫
今、病気をしていたり、心に何かの不安がある人なら、何かきっと感ずるものがあるとおもいます。この本の中に、下記のセリフがあります。

「病気っていえばねえ、私は自分が病んでみるまで、医者の癖に病気と単なる体の故障の区別がつかなかったのよね、ガンで死期が迫っていても病気で無い人もいれば、一寸長引いた風邪でおもい病気になってしまう人もいるのよね。問題は心を病んでいるかどうかなのよ。重篤な疾患にかかっていても、心を病んでいない人は病人ではないのよ」

病は気からという昔からの教えがよく理解できました。人生は春夏秋冬のサイクルを通っていく、その中に人としての自然な生き方が在る。誤解を恐れずに書くと、生者・死者は表裏一体ということがわかれば、「病気」にはならないともいえるのだということが一貫して流れているような気がしました。今の日本で忘れ去られてしまったものがこの本の中にはあるような気がします。生きるということをとても美しい文体のなかで味わわせていただきました。

なお、映画化され、DVDはレンタルもされています。本もいいですが風景の想像力は映画のほうがよいかもしれません。

でも心理描写などを見ると本と映画はやはり別物です。もちろん映画もすばらしいですよ。どちらも味わってみてください。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
テレビを見損なったため買ったが、とても価値ある本でした。
今の殺伐とした時代において、大地に足をつけ生きている。
経済大国のなかで、高度文明を利用しているのではなく、利用
されているのではないか。
この本を読んで、感動し今まであまりなかった涙さえ出てきた。
私も人間だと感じさせられた、まれにみる素晴らしい本でした。

是非、多くの方に読んで頂きたい素晴らしい本だと感じました。

このレビューは参考になりましたか?
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
仕事に追われる毎日に疲れ、会社を辞める決心をしたときに、友人に勧められて観たのがこの本の映画版でした。私は医者というような立派な身分ではありませんが、生きることに疲れ、心も体も病んでいくという女性の立場と気持ちは痛いほどよく分かりました。自然が多い環境で心が癒され生きる喜びを得て自信を取り戻していく主人公の姿に安心感を覚えました。しかし不思議なことにそれはこの女性への共感とは別のもので、他人事のような気持ちでした。その後ふとしたときにこの小説を手に取り読んだとき気づきました。ああ、これはこの女性が主人公なのではなく、それを支えるふがいない男性が主人公の話だったのだと。私が女性に共感できなかったわけがやっと分かった気がしました。小説では映画と違い、夫の生い立ちや妻との出会いなどが詳細に書かれています。妻の病気との直面や戸惑い、自分自身と向き合う葛藤、そして妻への無償の愛が美しい文章に包まれて淡々と描かれています。表面的には妻が病気を克服して強い自分を取り戻す話が大きく取り上げられているように見えますが、私にはそれらの過程は一つのエピソードにすぎないように感じられます。むしろこの物語の主軸は主人公の男性の幼少からの人間の成長の記録のように感じます。なによりも、おウメ婆さんの人生の格言のような便りををまずはじめに読み、それに感銘し、読者の心に訴えかけさせるのはいつも必ず男性のほうなのです。仮にあれらの格言が女性の立場らから語られていたとしたら私たちはそこまで感銘を受けなかったことでしょう。そしてこの小説は私に男と女の違いは何かということも考えさせました。女性は強いようでもろく、壊れやすい。そしてまた立ち直りが早い。男は一見弱くても自分の役割をきちんと理解していて、そしてそれを律儀に守る。そして互いが互いを必要としているのだと。女性の進出が拡大して、男女の役割が逆転してしまったかのように見える昨今の世の中で、原点に返ったときにその本来の姿が現れるのではないかと考えさせられました。私はこの小説を世の中の男性に多く読まれることを希望します。最後になりますが、私はこの小説が心から素晴らしい作品だと思っています。
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