作者の前書きの愛国精神振りにドン引きしてしまいましたが、ともあれ、脳天気SFミリタリの第三作です。
めでたく艦長となったプリンセス主人公、狭いながらも楽しい我が家と仲間たちと軍事訓練などしているわけですが、のっけから横領の疑惑(第1作での事件関係)で身柄拘束。同時に、首相である父も議会の多数派から更迭。これにはどうも陰謀が隠れているということで、金と権力だけは無尽蔵にあるロングナイフ家総出で調査開始、という水戸黄門もかくやの展開。
展開は概ね3部構成で、最初は軍務を解かれた際に他の惑星での折衝とドンパチ、中盤は迫り来る危機への対処のデスクワーク、終盤は絶望的状況における宇宙艦隊戦。第1作より嫌々プリンセスしている主人公も、どんどん開き直って特権を行使しまくります。
中盤は必要なんだろうけど長すぎ。只でさえ中身の薄い話が引き延ばされている感があります。終盤の艦隊戦も、「彷徨える艦隊」の重厚な描写には到底及ばず、ハリントンのような緊迫感にも欠ける(この理由は、スーパー印籠のネリー君が活躍しすぎるから)。ラストも、第1作、2作目のようなカタルシスを感じません(まあ、人が死んでるからしょうがないんだが)。一応最初の三部作完とのことですが、黒幕との関係では何も片付いていません。これはこれでストレスたまるなあ。
読み終えると、前書きが味方を死地に追いやる正当性を論じていることに気づき、日本人の感覚なんですかね、イヤーな感じ。
面白いんですよ。この厚さ1日チョイで読み終えたし。先の展開は気になるし。続編は希望します。ただ、きちんと戦場とか人とかが描かれていないミリタリで、戦争を描くにしては本作はやはり軽すぎます。第1作が一番良かったな。
そうか、ミリタリと思わなければいいのか。