阪神淡路大震災時には膨大なエスノグラフィーつまり被災者からききだされた話の記録がのこされていた. そのなかには,消火と人命救助のどちらを選択するかで苦悩した消防士や,避難所で奪いあいを目撃したり不当な要求をするひとをおいかけまわした話など,これまであまりきいたことがなかった話がいろいろふくまれている. 東日本大震災でも,おそらくまだきいたことがない話がエスノグラフィーとしてのこされることになるのだろう. それにしても,ともに大震災とはいっても被害の内容がおおきくことなる東日本大震災で,この阪神のエスノグラフィーをやくだてることはできたのだろうか.