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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
兵法書の愉悦,
By 飛山 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 闘戦経 (武士道精神の原点を読み解く) (単行本)
『闘戦経』という書物があることなぞ、まったく知らなかった。およそ九百年前に大江匡房が書いたという日本独自の兵法書である。大江は当時の著名な学者であるが、特に武士というイメージはない。しかしまさにそのことが『闘戦経』に大きな意味をもたらしているのではないか。「文武両道」というその思想こそ、大江がこの書物に言い表したかったことだったと思うのである。家村氏による明確な訳文と解説のおかげで、『闘戦経』という簡明すぎるゆえに難解な兵法書が現代によみがえったことを我々は素直に喜ぼう。家村氏は『孫子』からクラウゼヴィッツ、その他に到るまでの戦略書を読み込んでいる兵法家である。その博学ゆえに、我々日本人がこの『闘戦経』の価値を再認識する必要が理解されてくる。 表紙の写真は皇居前の楠正成公の有名な騎馬像だが、この楠正成こそ『闘戦経』の思想のまさに実践者であったことが、巻末の楠正成小伝によって理解される。『孫子』における詭道思想を批判するのが、『闘戦経』における「真鋭」なる言葉である。これを体得することが今も我々日本人のなすべき目標であると家村氏は主張する。「真鋭」となにか? それはこの本を読む人だけが味わえる愉悦であることを述べて、私は筆をおこう。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本製の兵法,
By 高志 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 闘戦経 (武士道精神の原点を読み解く) (単行本)
「兵法」と聞くと「孫子」しか思い浮かばなかった私の無学を一喝された様な気がする。日本にはもっと優れた兵法書があることを教えてくれたのが、家村和幸氏の「闘戦経」である。今から九百年前、「文と武は不離一体」との理念のもとに生まれた兵法は、面白い事に工業製品のメイド・イン・ジャパンと似通ったところがある。「孫子」など、外来の兵法を斟酌し、誇るべき「日本製」の兵法を産み出したのだ。「闘戦経」は一見難しい本である。しかし、読んで見ると意外に優しく、誰でも理解出来る。原文は、言うまでも無く、古語・文語体だが、著者は、それを「序」に続き、第1章 《天地に先だつ神武》から、第53章《用兵の神妙》に至るまで、分割して、原文を載せ、各章毎に懇切丁寧な解説を加えている。各章が独立(約3頁)しているから、忙しい人は、所々飛ばし読みする事も出来る。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人としての闘い方を識る上で、貴重な一冊,
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レビュー対象商品: 闘戦経 (武士道精神の原点を読み解く) (単行本)
今から約900年前、当為の日本における兵法の第一人者であった大江匡房(おおえ・まさふさ)が著した兵法書『闘戦経』は「孫子」「呉子」など日本とは国情を異にする隋や唐から伝来した兵法を補うため、日本に古来から伝わる「武」(これを匡房卿は「我武」と表現している)の智恵と精神を簡潔にまとめた書物である。この『闘戦経』を貫く基本理念は「文武一元論」である。これは、無秩序から秩序を生み出すためには、文と武は不離一体のものであり、それゆえに国家指導者は軍事・政治の両面に長けていなければならず、あらゆる将兵が智と勇を融合一体化した存在でなければならないという教えである。また、「孫子」の兵法が、戦いの基本を「詭」(偽り、騙すこと)として、「奇と正」の策略を奨めたのに対し、『闘戦経』を貫く指導原理は「誠」であり、「真鋭」である。 純日本の兵書ともいうべき『闘戦経』は、この太陽に象徴される国、祖神の開いた国と祖神の生んだ民が一体となって生成発展してきた日本の「いのち」を継承し、守り、伝えていくため、日本人に闘う智恵と勇気を与えてくれる「魂の書」なのである。 〜以上、本分より〜 諸外国との交渉に当たり、日本人ならではの闘い方を識る事は重要です。 本書は東西の兵学書とはことなり、日本人ならではの闘い方を稀代の戦術家・楠正成のエピソードを主軸に書かれた日本古来の兵法書の現代語解説です。TPPはじめ外交交渉が困難を極める現代こそ、この書は大いに読まれるべきでしょう。 勝海舟の『氷川清話』は読んでいるかも知れない一方「正心誠意」の原典とされる『大学』は読んでいないか知れない野田総理にもお勧めします。
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