郵政選挙で惨敗しそのまま消滅しかねなかった民主党を救い、参院選で大逆転劇を演じさせたまさに立役者と言っても過言ではなかろう。議員の本分たる国会での質疑を通して問題を発掘し徹底的な追及をなさり、その図をそのままお茶の間でテレビ慣れしている与党議員との対決でも再現し完膚なきまでに叩きのめした姿に思わず喝采を送ってしまった。民主党は頼りないという不安を払拭し、一度政権を民主党に否、長妻議員に任せてみたいと思った人は私だけでは決してあるまい。
当書ではその長妻議員の発想の筋道の流れが非常に明快に示されている。スローガンは「一点突破、全面展開」だ。つまり「5000万件」や「居酒屋タクシー」などという具体的な数値や事実を強烈にインパクト付けるものをぶち上げ、そのインパクトによって集めた注目を糧に構造的根の深い問題に切り込んでいく。ここで大事なのは「全面展開」の部分だ。一点だけではワンフレーズポリティクスに堕しかねない部分を、それこそ官僚主導による「歪んだ構造」を描ききるまで追求を徹底的に緩めない。まさに粘着技の極みだ。
また単なる批判の為の批判ではなく、政権交代後の青写真を見せているのも頼もしい。天下り根絶をもってする会計検査院の復活、サンセット法案などそこには具体的かつ明瞭な施策がみてとれる。政権交代の暁には間違いなく大臣に任ぜられるであろうだけに期待否希望を抱かざるを得ない。前回総選挙では小選挙区落選の憂き目にあわれているが、よもや二度と落選することはないとそう選挙民の良識を信じたい。