雑誌では一応読んでたんですが、単行本でまとめて読んだらこれが意外とぐっときた。真鍋先生の本領発揮でしょう。
筋はホストとその彼女の悲恋もの。ウシジマくんでは出尽くして少々飽きさえしてる裏の世界の嫌さ(段々とホラーの類型になってるのが興味深い)をまじえつつも、ベタとも言える悲恋ものがなぜかぐっとくる。
なぜか。これが思春期・青春期の挫折の物語だからです。
真鍋先生の昔からのファンはご存知でしょうが、先生は昔から「青春の蹉跌」を描いており、これが非常に良いのです。
ウシジマくんにおいても、ギャル男くん編のギャルサーイベントの乱痴気騒ぎとその祭りの終わりを予感させる寂しさ・ゲイくん編の花火を見上げるラストの言い知れぬ味わい・サラリーマンくん編で地獄へと向かう友人が輝かしかった若き日を思い出すあの感じ・トレンディーくん編で友情を確認できた二人が最後希望に満ちたように並んで歩く(そしてその後残酷に終わったという後日譚も含めて)あの感じ。
眩しいばかりの青春期と、それが有限のものであると思い知らされる挫折・破滅のコントラスト、それこそが真鍋先生の真骨頂であると思います。
個人的に思い入れの深いアフタ時代の佳作「THE END」のラストに出てくる猫が、この巻にも登場します。「THE END」でも猫一匹だけが広い外の世界で生きるというラストなのですが、このホストくん編でも残酷な閉じた世界からするりと抜け出し外で生きていくのは猫一匹。自由さを持たない人間は思春期に一度死に、別の何かになってこの狭い世界に生きます。