長野県の名家「久我沼家」の主の羊太郎が、何者かの呪詛により犬神に取り憑かれる。体には獣毛が生え、四つん這いで月に向かって吠え、さらには性器を勃起させ息子の嫁・千恵に襲いかかる始末。
雇われた祈祷師、落とし屋では歯が立たず、ついに九十九乱蔵が呼び寄せられる。一方、ボックや九十九三蔵に敗れ全てを失った龍王院弘は己を取り戻す流浪の旅の果て長野にたどりつき、ついに両雄が相まみえる…
注目すべきはやはり、抜き身の研ぎ澄まされた刃物のような…と形容され、必殺の“双龍脚”を操る美貌の天才武術家・龍王院弘の登場です。超人気シリーズ「キマイラ」の主要キャラクターが「闇狩り師」シリーズにゲスト参戦するという、夢枕ファン垂涎の作品。本作は「闇狩り師」でありながら、龍王院弘の再生の物語なのです。
弘と乱蔵二人の共通の敵として相対する、“意志を持った気”で手を触れずに相手を倒す技“鬼頸”を使う贄師・紅丸という男も、底知れない強さを秘めています。彼らの争いは熾烈を極める。
そして数々の謎を孕む入り組んだストーリー、徹底したエロス&バイオレンスなど、抜群に面白いエンタメ作品です。手に汗握る展開に引き込まれます。
この「崑崙の王」新装版は、元は上下2巻からなる大作を、1冊にまとめて出版したものです。もちろんキマイラや龍王院弘のことを全く知らない人でも、問題なく楽しめます。読み終わる頃には彼のファンになってるかも。