天使のナイフで江戸川乱歩賞をとった薬丸岳の、受賞後初作品。
天使のナイフのテーマは少年犯罪。おつぎは幼女暴行かぁと、
少しゲンナリしつつもこの人のテンポと最後のオチの鮮やかさを期待して手に取る。
連続して起こる幼女への暴行+殺害という陰惨な話の割にはあまりじめじめしておらず
テンポも軽め。この手の作品にありがちな、暴行シーンのえげつない性描写も抑えられているので、
あまり過剰なGを感じることなくさくさく読める。
人によって好みが分かれると思うが、難しい警察組織の内情とかが一切合切省かれているので、
かなり時間短縮でシーン展開も細かすぎない。
かなりスムーズに展開するシナリオの割には、エンディングまで誰が犯人なのか
悩ませるエサのバラまきかたと、その結末はさすが。
スピーディーに駆け抜けつつもきちんと抑えられた一作で満足なのだが、
もう少し主人公(?)、長瀬の内面が描かれるなどしてもよかった気もするので欲張りに辛口★4つで。
まぁ、ここまで一気に読んでおいて満足したくせに文句って、
フルコースを一気呵成にやっつけて、デザートまで完食してから
「もうほんの少しだけメインのソースの味が強くてもよかったかなぁ」なんて、
てめぇナニサマ?って気もしますけどね。