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50 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
魂の距離,
By カスタマー
レビュー対象商品: 闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252)) (文庫)
「闇の左手」とは「光」とのこと。「光と闇」「男と女」等、対立する概念の、和合・和解への願いが本書のテーマだと思う。状況によって男にも女にもなれる奇妙な人々と、彼らと国交を樹立しようとする一人の男との交流-対立・裏切り・愛情・・・-を描き、人と人の間の距離というものについて深く考えさせる。静かな感動。
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
希望と無力感が同時に残る,
By
レビュー対象商品: 闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252)) (文庫)
SFは、学術的な手法に縛られず、世界を理解するための枠組みが違っていたらどうなる?という発想を検証する思考実験だ。
『闇の左手』は読みごたえはあるが、読みにくく、読みふけりにくい。それぐらい、繊細な実験をはりめぐらせた本だった。 「冬」と名付けられた極寒の惑星ゲセン。太古に実験が行われたのか、両性具有の人々が暮らす星に、人類の同盟からの使者として主人公が降り立つ。 黒人男性である主人公は、人々が両性具有であることに戸惑い、打ち解けることが難しい。女性的だから信じられないとさえ、主人公はつぶやく。その戸惑い具合がヘテロの男性らしい。女性の目から見れば、そんなところで戸惑うことのほうが苛立たしくも、もどかしい。むしろ、この違和感こそが作者の狙いではないか。 ステレオタイプにならない人物設計、世界設定。豊穣で独自な世界で味わううち、主人公は冬の旅でゲセン人と二人きりになり、上辺だけの付き合いにごまかされずに、人の本質に向き合うことになる。 両性具有の社会であるということは、妊娠の責任が平等であることだと、ル・グィンは展開する。その思考は明晰で卓越。性と性行為のありようを超えて、人であるとはどういうことか、作者は読者に問い詰める。どうすれば、異文化の人と友達になれるのか、と。
58 人中、50人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
フタツハヒトツ,
By
レビュー対象商品: 闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252)) (文庫)
これは圧巻の一冊。SFというジャンルにおさまらない感じもあり、ファンタジーを愛している人にも受け容れられるかもしれません。なにしろゲセンという異世界が確固たるものとしてあり、それがとても魅力的なのであります。これは、はるか未来のお話。 <BRゲンリー・アイの使命はかなうのか、追放されたエストラーベンはどうなるのか、目をはなせない展開の連続です。 物語の多くはゲンリー・アイの報告書やエストラーベンの日記によってつむがれていくのですが、その間に挿入されたゲセンの民話や伝説がゲセン世界に深みを与えているような気がします。 反発や微妙な確執を克服しながら、たましいとたましいがふれあう過程は筆舌に尽くしがたい感じがあります。とりわけ、広大な氷原をふたりきりで越えて行くところは圧巻です。 人が個として生まれるのは、個として生まれたほかの人と対立するためではなく、その人といつか出逢って、理解し合うためなんじゃないかと思った次第。
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