関西弁で漢詩を意訳するユニークな一冊。
難しいイメージの漢詩を、勉強だの教養だのを抜きにして、娯楽として気軽に読める、とっつきやすさが、まずすごいです。
関西弁での意訳は、「人生別離足る→「サヨナラ」ダケガ人生ダ」の井伏鱒二のごとく、「作品」として楽しめる域。
本来の正統派の訳も載っていて、比較して読むことができます。
漢詩は、超有名なものが一通り載っているというよりは、マイナーだけど味わい深いものが多く選ばれている印象です(なので、有名な詩人の作品が載っていないこともあります)。
ひとつの詩を二通りに訳したり(男の場合と女の場合に訳すのが面白かった)、地名などを現代日本のものにしたり、自由奔放で、とにかく楽しい。李商隠が登った楽遊原が、生駒ですよ!!
詩といっしょに、作者のエッセイも載っているのですが、自分の人生や想いをストレートに吐き出していて、深いです…。
一冊読み終わると、「関西弁のロミオとジュリエットの劇を見て、最初はゲラゲラ笑っていたけれども、山場では泣かされた」みたいな気持ちになりました。
特に、『詩経』の「桃夭」→「桃ちゃん」は、白眉です…。
元は、サイト(「えごいすとな思想」さま)で発表された作品だそうです。