関口知宏が行く中国鉄道の旅。春秋に分けてそれぞれ約半分ずつ走り、なんと総計36000キロもの長旅がこの巻で終わる。
春の旅の終着点であった西安から再出発した秋の旅は、この絵日記本の第三弾、そして本書に綴られている。
長い長い中国鉄道大紀行の終着点は、新疆ウイグル自治区のカシュガル。秋に北部を旅する為、早くも寒さに見舞われながらの旅行。
TV番組は、ダイジェスト版を観ただけだったので、改めてこの本を買って読んでみたが、いつも通り楽しい明るい絵と、
綺麗な文字で丁寧に綴られた旅の感想(単純に楽しかった、等ではなく思索的なもの)が楽しめる。
旅人を不思議なくらいもてなし、食事を出し、戦時中の日本人についての思い出さえ淡々と語る人々。
関口さんは、過去にとらわれずに今必要なことを懸命にやって純朴に生き抜いていく人々に出会っていく。
長い旅のまとめとして関口さんは、報道などから抱く印象(良いものであれ悪しきものであれ)というものの危うさを説く。
確かに中国は様々な問題を抱えている。平気で痰を吐いたり、店員さんの対応がよくなかったり、日本人が顔をしかめるマナーもあるだろう。
けれども、関口さんが出会った人々は時にしつこいぐらいに積極的に、また親切におもてなししてくれ、
日本に関心を示したり、日本を見習わねばという人までいた。きっと中国には食品の危険性も、食の素晴らしさもあるだろうし、
日本が嫌いな人も好きな人もいることだろう。中国に限らず、ひとつの国・国民を一面的な印象論で片付けられはしないという、
よくよく考えれば当然の事を、この旅日記は示してくれている。巻末に列車や世界遺産の簡単な解説つき。