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5つ星のうち 5.0
時間から捉えた記憶の二重構造(二重性),
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レビュー対象商品: 関係としての自己 (単行本)
時間は二つの捉え方がある。一つは、過去から現在、未来という方向で流れているとイメージする見方である。 しかし、この見方は時間そのものの表象ではなく、何かの運動あるいは変化の表象であり「認識的な時間表象」である。 もう一つの見方として、未来と過去の出来事を事後的に現在の前後に投影した「行為的な時間表象」ともいうべきものがある。 前者は記憶について過去の出来事が脳に保存されていると考える。 後者は記憶は現在そのものの「直下」にあって、これまでの人生の途上で起こった様々な出来事に、現在の時点で見たその歴史的意味を与える潜在的な「場」があると考える。 現在の出来事がアクチュアリティ(活動の現場)としては過ぎ去って戻らないにもかかわらず、現在の意識下のどこかに潜勢的に保存されていて必要があれば再び現勢的に意識化できるという事実を指すことになる。 出来事そのものは二度と再現しなくても、出来事がアクチュアリティとしてそのときどきの現在をいろどっていた意味のようなもの(クオリア)を生々しく思いだすことができる。 このように、記憶を<あいだ>として捉えると意識的な現勢層と意識下の潜勢層との二層からなっていて、この二重性がそのつどの現在に意味の歴史性を与える。という著者の洞察である。
20 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現象学的精神科医の最新著作,
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レビュー対象商品: 関係としての自己 (単行本)
著者は現象学的精神科医の大御所である。既に著作集も出ているし、斯界の邦訳もみな木村学派による。現象学の中立性と診療に応用できる意味は実に大きい。懸案の公共性と私の複数性を論証して実にスリリング。数年前に著作集の完結を祝っての席でお目にかかり、学の探究姿勢に共感を禁じえない。続編をお待ちいたしております、カウンセリングが<私>を救います。遺伝子治療が全てではないでしょう。
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