これ以上の時代劇は、ない。レビューされておられる
方もいるが、この「関ヶ原」は現在の大河ドラマなどとは
まったくレベルが違う。
正義の人・石田三成を配役するとして、加藤剛以上の俳優が
古今東西にいただろうか?一日三度歯を磨くという加藤剛の
清潔感はまさに三成そのものであった。
森繁の家康と、三国の本多正信。二人が薄暗い部屋で作戦
構想を練り上げる様は、一挙手一投足までイメージどおりだった。
音楽に難癖をつける者がいるが、音楽こそ実は計算された
素晴らしいものだったと思う。音楽は、重厚で重みがあり、
ピッタリだった。もし今の大河のようなふざけた音楽なら
名優の白熱も一瞬にして水泡に化すところだった。
森繁演じる家康は、ラストシーンで、三成の忠臣ぶりを想起し
泣いていた。その演技は神技に近い。森繁以外に任せられないだろう。
一回見た方はご存知かもしれないが、太閤秀吉が大坂城で倒れた
とき、びっくりしている諸侯のなか、森繁演じる家康の表情を
見て頂きたい。これから始まる関ヶ原7時間がどういうものになるのか
12分に語りつくしています。脱帽の上、さらにカツラまで取るべき演技力には感動した。
とにかく、すべてにおいて完璧。けなす所が見つからない。
辛口レビューの多い私ですが、お手上げ。若い人は、いまの内に
これを見ておけば、一生印象に残るでしょう。日本映像史の
NO1と言ってよいだろう。