ずっと以前に、『少年H』がベストセラーになっていたころ、書店でこの本を見つけたのですが、あまりの分厚さと値段の高さに躊躇してしまい、つい買いそびれました。最近、戦時中の生活の様子を調べる必要があり、ついに購入しました。単なる批判本ではなく、当時の生活を知る一級の資料にも匹敵する内容です。科学実験のように反対仮説があると問題がはっきりするように、『少年H』のおかしなエピソードがあったおかげで、より当時のことが理解しやすくなったようです。なお妹尾さんは『少年H』について、「見た事、聞いた事以外は書かなかった」と公言していましたが、批判についての反論はなかったそうです。ほとんど間違えだらけなので直すとなると大変な作業になると思われますが、ほぼそのまま『少年H』の版を重ねつづけたということです。最後に、単なる悪口と捉える人もいるかもしれませんが、そうではなくて、でたらめが常識となってしまう事が許せなかっただけなのだと思います。