てふてふが一匹韃靼(だったん)海峡を渡つて行つた
という有名な一行詩がある。安西冬衛の作品だ。
この韃靼海峡が、いわゆる間宮海峡……サハリン島とアジア大陸の間の細い海だ。
中国名が韃靼海峡、ロシア名がタタール海峡、日本名が間宮海峡である。
この細い海域を「海峡」であると発見し、サハリンが「島」であることを突き止めたのが
間宮林蔵だ。
……とまあ、地理か歴史で教わったことがある。
だが考えてみれば江戸時代、アイヌの人たちが暮らす異文化社会に乗り込んでいくことは、
とんでもない冒険である。
この本は、探検家・間宮林蔵の一代記だ。
著者自身が探検家でもあるだけに、文章から熱いモノが伝わってくる。
そして「間宮海峡を発見した人ね」ぐらいにしか知られてない間宮林蔵の復権(?)をはかる。
それがこの本だ(ちょっと大げさか……)。
とにかく「面白い!」のひと言! アイヌなど北方民族とのやりとり、その後の人生など
ワクワクしながら一気に読んだ。
吉村昭の「間宮林蔵」とは、また違った味わいもある。