4日間の稽古で舞台に立ってしまおう,イッセー尾形の一人芝居の作り方をまんま教える,ってうそみたいな話し。で,これに100人以上の参加者が来る。この手の取り組みは途中で相当脱落して半減するのが常。でも,ほとんどの人が5日目の舞台に出てしまう。
リピーターに話しを聞いてみると,ワークショップに来る前の自分の方がいい人だったし,自信に満ちていた,と意外な答え。そしたらワークショップ以降の自分は?いやな人ともつきあえるようになった,とか,自分ってダメだなあって落ち込んだけど,そのうち,どうでもよくなったとのこと。
ワークショップの最初は,「なんでもいいからなんか言って」。ところが挨拶はだめ,自己を語るな,準備した答えをいうな。今見えること,事実を言うな,で,,とむちゃくちゃな課題にみな途方にくれる。ところが,
日常,自分のこころの中に流れているけど,言葉にならなかったことを誰かが口にすると,あれよあれよと,次つぎせりふができていく。回路がぱっと開いていくような感じ。
そしたら,「次にいやな人,苦手な人の名前言って」,とまた,反道徳的な課題。隣のおばさんとか山田くにお,とか,一旦口から出ると,その人への苦手な気持ちが立ちこめてくる。そしたら,「今度はその人の口調でなんか言って」と。
いやな人なら言えるのですね。おもわず口まねしてしまい,あの人の口調で話し出したら,もうそこはイッセー尾形。
次に,「おばあさんのころのこと思い出して,親の口ぶり思い出して」。これがまた,「まさき,まさき!父さんが出たから,早くトイレ入りなさい」なんて事がすらすら出てしまう。これが驚き。そうして,参加者はいつのまにか,とらわれていた自分がどっかに飛んでいっていしまってることに気付いて,そして,また次の日会場に現れる自分に自分で驚くのだ。
ワークショップに参加しなくても,日常での人間関係に応用できる,びっくり手練手管がいっぱい。ついでに,イッセー尾形の作り方,というのは,ひっかけも何もなく,そのまんまイッセー尾形の一人芝居の作り方をまんま教えてくれている。驚くほど,あっけらかんとしたワークショップの試み。