第1部で全体主義に陥ってしまう思考のあり方の起源をプラトンに求めたポパーは、第2部ではマルクスとヘーゲルの問題を扱う。説明原理を自己のマインドの外に置くマルクスやヘーゲルの思想は、物事を構造的に把握するが、個人の主観の創造的可能性をおとしめる結果を導く。いわゆる唯物論であるとか、認識の弁証法的な成長過程に見られる考え方である。
歴史の運動法則は○○といったマルクスやヘーゲルのふざけた考え方に対して鋭い一撃を加えている。個人の外に歴史の運動法則があるなどというふざけた考えは今でこそ少なくはなったが、発表当時はこのようないかれたマルキシストに世界が席巻されていたのだから、この考えを勇気を持って発表したポパーはすごい。訳は硬いが第1部よりは少しマシ。にしても、英語で読んだほうがよいと思う。名著である。