ダン・ウェストンは、海兵隊の一等軍曹。
ジャカルタでの会議でクレアにひと目惚れしたダンは、彼女と同じ大使館に勤務できるよう希望を出し、
1年待ってようやくマコンゴ共和国大使館付き警護分遣隊の警護隊長に着任する。
着任して1週間後の感謝祭の日、大使館警護の当番を引き受けたダンは、クレアと初めて言葉を交わすが、
その直後に内乱事件に巻き込まれ、重傷を負ってしまう。
海兵隊を除隊し、アメリカに帰国したダンはビジネスを成功させるが、愛するクレアを失った痛手から立ち直れず、人知れず苦しんでいた。
そんなダンのもとに、ある日突然、女性が訪ねてくる。
それは、死んだと思っていたクレアだった…。
この作品の読みどころは、ヒーローに愛されることによって生じる、ヒロインの変化でしょう。
内乱事件に巻き込まれる前は、有能で仕事熱心なアメリカ国防情報局の軍事分析官。
事件後は、記憶の一部を喪失し、悪夢におびえ、パニック障害の発作に苦しむ一般女性。
それがダンと再会し、彼に大切にされ愛されることによって、一変します。
ダンのクレアに対する愛が、事件によって眠っていた“本来のクレア”を目覚めさせ、彼女が事件以前に持っていた思考力や判断力、
防諜の専門家として培った能力のすべてを呼び戻し、彼女に自分の命を狙う敵と戦う決意を固めさせるのです。
ヒロインの言葉を借りると、『かわいそうなクレア』がダンのベッドで『燃え上がるクレア』となり、ついには『新生クレア・デイ』が誕生するのです。
(注:『』の中の文言は、すべてヒロイン自らの命名です…)
物語の前半は、ブロンドの美女を海兵隊員が守る、というリサ・マリー・ライスらしい展開ですが、
後半は『新生クレア・デイ』がヒーローとともに敵と戦う、という従来にはない展開になっています。
全体の戦略を考えるのが得意なクレアと、実戦の戦術を立案する能力にひいでたダンは、最高のチームワークが発揮できる最強のパートナー。
2人の活躍は、小気味よく痛快です。
そして、コンピュータを駆使して情報を収集、分析しているクレアをそばでじっと見つめるダンは、おあずけをくらった犬みたいで可愛いです…。
(心の中で自分の下半身に「待て」とか言ってるし。クレアには「だめよ」とか「期待してて」とか言われてるし)
エピローグもとっても楽しく、クレアにふりまわされつつ、懸命にフォローするダンがとっても素敵。
この2人の活躍がもっと読みたい、別の作品で脇役として登場させてくれないかなー、と本気で思ってしまいました。
リサ・マリー・ライスにしては、官能シーンは控えめ。
その分、いちゃいちゃ、らぶらぶしているシーンは多く、読んでいてついついにんまりしてしまいます。
わたしもこんな風にヒーローに愛されたーい、と感じずにはいられない作品です。