表紙(カスタマーイメージ参照)はデビュー当時のマルーンに細い白帯を入れた2000系特急。この丸っこいボディにこのカラーはまさに小布施の栗。冗談はさておき、中身は長野電鉄の前身河東鉄道の開業から昭和39年のツートーンカラーの2000系第4編成が登場する前までを描く。その中で創業期の長電が先進の電化方式を先取りしていたことがわかる。議論好きで進取の気風のある県民性のなせるワザか。
メインは昭和38年の全線の路線案内とその運転、車両の解説。宮田氏の手による全駅の構内配線図を含む沿線ルートイメージ図は楽しく、また本文を読み進むのに実用的である。車両に関しては昭和30年代に活躍していた車両を中心に写真、図面とも多く、電機も含む諸元表もあり実用的。写真については長電車両は当然ながら、国鉄から乗り入れてきたキハ57系、165系、長電電機に牽かれる客車、暖房車の姿もあり、国鉄ファンにも興味深い。
資料性も高く、また読んで楽しいマルーン時代の長電の本である。続編としてりんご色のツートーン時代(?)の刊行もお願いしたい。