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『梵網経』と『沙門果経』の目的は、凡夫を四沙門果に導くこと!,
By vivekatrek (大阪府枚方市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 長部(ディーガニカーヤ)戒蘊篇〈1〉 (パーリ仏典) (単行本)
『梵網経』が六十二見を紹介する目的を明確にするために、六十二見を次のように整理する。*********** A.常見 ・・・ 4常住論、4有限無限論の第2、16有想論、8無想論、8非有想非無想論 B.常見と断見の折衷 ・・・ 4部分的常住論、4有限無限論の第3、2無因生起論 C.断見 ・・・ 7断滅論、4有限無限論の第1 D.懐疑 ・・・ 4詭弁論、4有限無限論の第4 E.伝統 ・・・ 5現世涅槃論 *********** 以上から、「常見」や「断見」を含む A〜C は因果律を否定する「身見(有身見)」に相当し、「懐疑(詭弁)」の D は因果律無視の「疑惑(疑)」に相当し、不善防護の「伝統」を盲目に追従する E は因果律無視の「戒取(戒禁取)」に相当することが理解できる。 従って「梵網経」は、六十二見に展開された「三結煩悩(=身見+疑惑+戒取)」を断つことにより、シュダオン(預流)になることを勧める経典であることが分かる。 同じ事が、次の『沙門果経』では六師外道の見解を用いて説示されている。それが分かるように、六師外道が主張する特徴と三結煩悩とを対応させたのが、次の整理である。 *********** 1.プーラナ・カッサパ:非業論(個々人に永遠不滅の魂、道徳否定論)⇔ 常見 ・・・ 身見 2.マッカリ・ゴーサーラ:輪廻清浄論(完全な他力本願、運命論、決定論)⇔ 断見 ・・・ 身見 3.アジタ・ケーサカンバラ:断滅論(唯物論、生命=四大+感覚器官)⇔ 断見 ・・・ 身見 4.パクダ・カッチャーヤナ:霊魂不滅論(七元素唯物論、無因的感覚論)⇔ 常見 ・・・ 身見 5.サンジャヤ・ベーラッティプッタ:曖昧懐疑論(詭弁哲学・不可知論)・・・ 疑惑 6.ニガンタ・ナータプッタ:不善防護論(苦行・戒律・相対主義)・・・ 戒取 *********** この整理が正しいことは、パーリ仏典中部『中分五十経篇 'U』第76「サンダカ経」でアーナンダ長老が身見に関わる四師の見解を「四の非梵住行」としていることからも裏付けられる。 この三結煩悩を断つための条件を、釈尊はパーリ仏典中部『中分五十経篇1』の第56「ウパーリ経」(p.120)で次のように述べる。これは、水野弘元氏が何度も指摘していたことである。 ●第1段階・・・因果業報(善因楽果・悪因苦果)の道理を理解することi.e. 施・戒・生天の三論の思想を理解することにより、「邪見(=因果の道理を否定すること)」の除去を達成する。 ●第2段階・・・因果の道理を正しく信ずる第1段階(随信行)に続いて「欲の禍患と離欲の功徳」を理解することにより、自己中心的な「我見」を離れる。 第2段階が終われば、間もなく「遠塵離垢の法眼」を得てシュダオン(預流)となって聖者の仲間入りを果たすのである。
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