最も参考になったカスタマーレビュー
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5つ星のうち 4.0
日本の夜明けを担った若者達, 2007/9/29
レビュー対象商品: 長州ファイブ [DVD] (DVD)
想像以上によくできた、清々しい映画だった。 長州ファイブの面々がそれぞれ個性的で、それでも山尾庸三を軸にストーリーが進むため、混乱せずに観ることができる。 この松田龍平演ずる山尾のキャラクターはとても魅力的(松田君はどんどん演技が上手になりますね)。 西洋文明を全面肯定するのではなく、その光と影を一歩ひいた視点から冷静に描いている点もいい。 ところどころに心に残る台詞も散りばめられていて、観終わった後に元気をもらえるような映画である。 音楽も映像も大変よかったし、ものすごく星5つつけたいところなのだけど、ひとつだけ気になった点も。 それは、幕末の複雑な政情に関する説明があまりにも少なかったこと。 言うまでもなく、当時幕府の開国政策にどこよりも強く反対し攘夷を主張していたのは、この長州藩である。 そして「日本の未来のために刀を捨てたサムライ」は、薩長だけでなく幕府にもいた。たとえば戊辰戦争で薩長と最後まで戦うことになる榎本武揚などは、長州ファイブと全く同時期に派遣留学生としてオランダへ行き、世界的視野を身につけ、最先端の造船技術、国際法そして封建制の問題点などを同じように学んでいるのである。 しかしその辺りの歴史を知らない人がこの映画を観ると「(攘夷とか討幕とかよくわからなかったけど)文明に無頓着な古い考えの幕府と、それを倒し西洋技術により日本を文明化へ導いた薩長」という誤った図式が頭に残ってしまうような気がする。 「藩意識からの脱却」を描いているとはいえストーリー的に政情は無視できない以上、そういう背景をもうすこしきちんと描いていれば、より深みのある映画になったように思う。 もっとも、気になったのはその一点のみで、素晴らしい映画であることにかわりはない。 今私達が当たり前のように享受している海外渡航の自由。それはほんの150年前には命がけの行為だった。 彼らのことを思うと、誰もが自由に海外へ旅行し、留学することのできる私達はいかに恵まれているのかということがわかる。 この映画を観た後に海外へ行くと、これまでよりはるかに充実したものを得ることができるだろう。
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5つ星のうち 4.0
本当のサムライ, 2007/7/19
レビュー対象商品: 長州ファイブ [DVD] (DVD)
長州藩の若者5人。彼らは、最初から「日本」を意識していたのではなく、「日本」や「日本国家」建設よりも「藩」であり、そのなかの「長州藩」だったのだ。つまり、彼らは、個別具体的でローカルなもののために渡航し、勉学に励んだのであって、「日本」や「世界」や「地球」といった漠然とした「理念」のためにそうしたのではなかったのだ。そして、産業革命真っ只中のイギリスで、こんな国を相手に闘っても勝てるわけがないと思い知り、「日本」を意識する。 「文明」の国の別の側面、つまり、貧困や差別のもとにおかれたマイナーな人々と出会もちゃんと描き、彼らは、単に産業革命下のイギリスの華やかな面だけを見てきたわけではないという点も興味深いです。 なかでも工場で働く山尾庸三が、純愛をいだく聾唖の女性エミリーとのエピソードがいい。帰国し、やがて「日本工学の父」となったが、盲・聾の教育の普及にも努め、日本最初の盲学校設立に尽力したことは事実らしい。反面、物語的にはこのエミリーとの話がメインになりすぎていたようにも感じた。 また、伊藤俊輔(のちの博文)のような、有名な人ではなく山尾庸三に焦点をあてたのは正解で、幕末の日本の混乱を描かずにすんでいるけど、航海中の苦労は、もう少し丁寧に描いて欲しかったかな。 監督は五十嵐匠で、伝記的映画の得意な監督ですが、役者同士の台詞のやり取りが、一本調子になりそうなところをフッと外す間合いが絶妙だし、場面転換も動から静、急から緩への切換えが巧いと感じました。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人ってかっこいい!, 2008/10/5
レビュー対象商品: 長州ファイブ [DVD] (DVD)
後に韓国で暗殺されることになる伊藤博文は、女性好きで知られていますが、同時に女性の教育に相当尽力したそうです。また、暗殺される前の演説で「戦争が国の国益になることはない」という言葉を残しています。 遠藤謹助は、関西の春の風物詩、大阪造幣局の桜の通り抜けの発案者だそうです。遠いイギリスで桜の花を思い出すことでもあったのでしょうか。 井上馨は、後の明治の政財界に多大な影響を与え、汚職など悪い噂も沢山たちましたが、伊藤博文のためならとにかく力を尽くす友情に厚い人だったそうです。 山尾庸三は、「人を育てればその人が工業を作る」という信念のもと、今の東大工学部の前身となる学校を作ったとともに、障害者教育にも力を注ぎ、日本初の盲学校設立に力を尽くしたそうです。 井上勝は、とにかく日本の鉄道の発展に力を注ぎ、現在の世界に誇る日本の鉄道の礎を作った人物です。 そんな長州ファイブの存在を知ったのは、この映画を観たからです。伊藤博文や井上馨は名前くらいは知ってましたが、どんな人だったのかなんて全く知りませんでした。 でも、この映画を観て、彼らのことを猛烈に知りたくなりました。 なんというか、かっこよかったんです。映画の中の彼らが。 この人についてもっと知りたいと思わせるくらい人物に魅力がありました。とにかく人間がしっかり描かれている映画でした。 出演されている俳優さん達全てがとてもよかったのもありますが、やっぱり映画からにじみ出ている、彼らへの尊敬の気持ちに惹き付けられたのだと思います。 日本人ってかっこいい!って思いました。 なんかちょっと誇りを与えてもらえる、そんな映画です。 また音楽が素晴らしい。 「蛍の光」ってスコットランドの歌だったんですね。これがまたすごく効きます。 山尾庸三と言葉の話せないイギリス人女性との淡い恋みたいなものもあり、女性が観ても良さを感じれる映画だと思います。 ものすごくお薦めです!
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