長崎に関する文章、写真、イラストが、長崎の四季の見どころ順に整理されてまとめられたガイドブック。
ハタあげ(凧揚げ)の話し、「和華蘭」文化の話し、卓袱料理の話しなどが、少々個人的な思い入れから語られているのだが、長崎初心者の僕には実に楽しい。この本の真骨頂は、著者の独断と偏見そしてたっぷりの愛情に満ちた極めて私的な視点からの長崎の名所案内であるということなのだ。
街角に植えられた他愛もない琵琶の写真に添えられた「遠慮せずにタダで食べられるものがそのへんにある、というのは、生物としての人間に、もしかすると少しだけ、安心感を与えているのかもしれない」なんていうキャプション。こういう著者の視点が僕は好きだ。
隠し玉として紹介されている、ザッコエビバーバーなるが名物があるという茂木にも行ってみたいし、長崎くんちの「庭見せ」はぜひ体験してみたい。脈絡なく紹介されている「ベニサシ」は絶対に食べなきゃいかんなと確信させられてしまう。ガイドブックは、スタンダードで網羅的なものより、こういう個人の思い入れの強い、偏ったもののほうが楽しい。
数回、長崎に行ったが、いつもドタバタ出張で駅弁以外食べたことがない。楽しいガイドブックも読むだけじゃ寂しすぎる。いつかはこのガイドブックを役立ててみたいものだ。