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長崎の鐘 付「マニラの悲劇」 (人間愛叢書)
 
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長崎の鐘 付「マニラの悲劇」 (人間愛叢書) [単行本(ソフトカバー)]

永井 隆
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,890 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

透徹した視点と感動的な筆致で被爆の実態をつぶさに描いた名作が、当時GHQにより付された「マニラの悲劇」をあわせ、衝撃的な初版の姿でよみがえる。
オバマ大統領演説、北朝鮮核問題…いまこそ読みたい「核の悲劇」の実相。
悲劇のなかの人間愛を問う。

*『長崎の鐘』
医学博士・永井隆(長崎医大の診察室にて被爆)による、原爆投下直前から、終戦の日までの長崎の惨状を描いた随筆。
GHQの検閲により出版の許可がすぐに下りず、GHQによるマニラ大虐殺の記録集である『マニラの悲劇』との合本とすることを条件に1949年に出版され、空前のベストセラーとなった。

内容(「BOOK」データベースより)

透徹した視点と感動的な筆致で被爆の実態をつぶさに描いた名作。当時、GHQにより付された「マニラの悲劇」をあわせ、その衝撃的な初版の姿がよみがえる。オバマ大統領演説、北朝鮮核問題…いまこそ読まなければならない「核の悲劇」の実相。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 251ページ
  • 出版社: 勉誠出版 (2009/8/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4585012346
  • ISBN-13: 978-4585012344
  • 発売日: 2009/8/19
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
 最近は「マニラの悲劇」を除いた『長崎の鐘』だけの本が出ているようですが,刊行時には長崎の原爆の悲劇とマニラにおける日本軍の残虐行為を記録したものがあわせて1冊になっており,それを復元したのが本書。

 まず,巻頭の被曝の現場の写真…救護の様子,路傍の遺体の顔を覗き込む男の写真(おそらく家族か友人知人を探していたのでしょう),炭のようになってしまった少年の亡骸など,に絶句。その後「永井博士のために」と題された東京タイムズ主宰者・式場隆三郎氏による本書刊行のいきさつや著者の長崎医大教授で原子病学者・医師の永井隆博士の紹介文が掲載されています。ちょっと抜粋。

「付録につけたマニラの悲劇のドキュメントは、軍政部の提供になるものである。私たちは長崎の悲劇に頭をさげるとともに、マニラの事件についても深い反省をもたねばならぬ。永井氏の記録は世界最初の原爆体験記として、世界中の人々から注目されるであろうし、必ず後世に残る名著である。そして、われわれ日本人はそれとともにマニラ事件を厳粛な気持ちで読まねばならぬ。」((6)ページ)

 この文章に続いて著者自身による自序があります。ここからもちょっと抜粋。

「この本は科学的記録でもなく、さりとてまた文学的報告でもありません。しかし一つの人間的手記であるとは云えましょう。」((9)ページ)

「この本の目的は、原子爆弾の実相をひろく知らせ、人々に戦争をきらい平和を守る心を起させるにあります。その点から考えて、占領軍の方からマニラの記録を頂いて合本にして出すようになったことは大変良い効果をあげるので、感謝に堪えない処です。」((11)ページ)

 その後いよいよ本文に入ります。原爆の被害の惨状が淡々と綴られます。確かに科学的記録ではありませんが,フランクルの『夜と霧』と同様の,貴重なルポルタージュです。こんな文章もあります。095ページ。

 「先生そうすると、わし等生残りは何ですか?」
 「私もあなたも天国の入学試験の落第生ですな。」
 「天国の落第生、なるほど。」
  二人は声をそろえて大きく笑った。胸のつかえが下ったようだ。
 「よっぽど勉強せにゃ、天国で家内と会うことは出来まっせんばい。確かに戦争で死んだ人々は正直に自分を犠牲にして働いたのですからな。わしらも負けずによほど苦しまねばなりませんたい」
 「そうですとも、そうですとも。世界一の原子野、この悲しい、寂しい、物凄い、荒れた灰と瓦の中に踏み止まって、骨と共に泣きながら建設を始めようじゃありませんか。」

 本書の後半は「マニラの悲劇」。掲載されたのは1945年2月の日本軍の残虐行為の一部に関する証言の数々であり,一日本人兵士の日記には1,000人以上の市民が生き埋めにされたと記録されていることが報告されています。鉄扉の奥に無数の死体が積まれた様子など,目を覆いたくなる写真も数点掲載されています。107ページにある日本軍の命令文。

 「フィリッピン人ヲ殺スニ当リテハ、彼等ヲ一個所ニ集メ、弾薬ト人力トヲ浪費セザルヨウ留意ノ上処置スベシ。屍体ノ後始末ハ困難多キ作業ナレバ、ソレラヲ建物内ニ収容シ、後ロノ建物ヲ焼払イ又ハ破壊スルカ、モシクハ屍体ヲ河中ニ投入スベシ。」一九四五年二月十三日 1200 日本軍大隊命令

 「はしがき」にある文章。122ページ。

「この犯罪の直接の責任は、天皇によって代表される日本軍統帥部と日本政府とにある。さらに日本国民全体も、終極的には、この恐るべき犯罪の責任を回避することはできない。彼らは道徳的に言って共犯であり、同じく有罪なのである。」

 この後,胸が苦しくなるような証言が次々に掲載されています。こんな証言もありました。210ページ。

「私もまた、心ひそかに、わが愛する妻が生きながら焼かれる苦しみから免れたことを感謝した。(中略)生きながら焼かれるよりか射ち殺された方がましだ」

 私はキリスト教徒ではありませんが,「原罪」なんてことを考えてしまいました。ひどいのはもちろん日本人だけではなく,今でも世界中で戦闘はあり,また直接的武力行使ではありませんが「経済制裁」という名の兵糧攻めも多用されています。余力・影響力のあるうちに日本がイニシアティブを取って,世界に「平和の効用」を輸出できたらなあと願います。

 心がかなり苦しくなりますが,本書は式場隆三郎氏のおっしゃるとおり「名著」です。一人でも多くの方に読んでいただきたい。
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By Akemi
形式:単行本(ソフトカバー)
永井隆の『長崎の鐘』そのものについては、サンパウロから発行されているアルバ文庫版にたくさんのカスタマーレビューがついていますから、評価はそちらにお任せします。

本書は1949年4月に刊行された『長崎の鐘』の初版を復元したものであり、本編と同じぐらいの長さの「マニラの悲劇」という資料がついているのが特徴です。

じつは『長崎の鐘』の原稿は、戦後早い時期に仕上がっていましたが、あちこちの本屋から出版を断わられ、日の目を見るまでには三年の歳月を要しました。長崎原爆を、被災した日本の側から見つめ、克明に記録したこのルポが、占領軍から危険視される可能性を考えて、みんな出版に消極的な態度をとったためです。関係者の献身的な奔走の結果、「なんとか自分の生きているうちに出したい」という永井隆の願いは叶えられ、日の目を見て、ベストセラーになったのですが、出版にあたり、占領軍からひとつ条件がつけられました。1945年の初頭に、連合軍によってマニラが奪還される直前、日本軍が行なった現地の民間人に対する組織的な大虐殺行為の記録を一緒につけること、という条件です。

占領解除後、『長崎の鐘』に「マニラの悲劇」が付けられたのは、占領下で刊行を実現させるための、妥協的方便であったという見方が広がり、日本人は早々とこの付録を削除してしまい、今日見られるような『長崎の鐘』だけを収録した版を出すようになったのですが、その行為は、はたして著者・永井隆の本意に適うことだったでしょうか。

永井隆は初版の自序の中でつぎのように述べています。「この本の目的は、原子爆弾の実相をひろく知らせ、人々に戦争をきらい平和を守る心を起こさせるにあります。その点から考えて、占領軍の方からマニラの記録を頂いて合本にして出すようになったことは大変良い効果をあげるので、感謝に堪えない処です。」

これを方便の辞とは私は思いません。

かりに太平洋戦争を開戦したこと自体は、当時の大日本帝国憲法も国際法も認めていた国の交戦権の行使であって、咎はないと仮定してみても、「マニラの悲劇」に見られるような被占領国の一般市民に対する組織的虐殺行為は、天・人ともに許さざる大犯罪行為であり、弁明の余地がありません。

敵の日本本土侵攻を一日でも遅らせるために、捨石となって戦いたいのであれば、硫黄島のように、民間人を避難させて、軍人だけが要塞のようなところにこもって戦えばよいのであって、民間人を巻き添えにする必要はなかったはずです。

アメリカでは、原子爆弾の使用は、こうした軍国日本の蛮行に終止符を打つための必要悪だったのであり、それがなければもっと大きな犠牲が出ていただろうという見解が、世論の主流になっているそうですが、日本人はみな、その言い分に謙虚に耳を傾けたうえで、はじめて核兵器廃絶を訴える資格があります。

その意味で、私は周囲のみんなに向かって「『長崎の鐘』を読みたい場合には、勉誠出版から出ている初版復元版のほうを買いなさい」と勧めることにしています。残念ながら、売れ行きがあまり伸びていないようですが、私も宣伝に微力を尽くしますから、出版社の方はぜひこの版の刊行を永遠に続行してください。
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