本書は、検定済教科書(1A2B3C)6冊を1冊にまとめ、それに長岡先生の講義を付した参考書。
数学教科書の常として、本書の記述も簡潔な表現でポイントが凝縮されている。練習問題も、2次方程式の解の公式を自分で導出させる等、公式の単純暗記で済ませるのではなく、本質的な理解を身につけさせようとする教育的配慮が行き届いている。教科書はふつう練習問題の詳解がついてこないため独学には向かないのだが、本書はpdf形式で詳解が付属しているので心配無用。
講義は、NHKの教養講座っぽい。喋りはしっかりしていて聞き取りやすい。教科書の記述を順を追って解説してくれる。ところどころで大学で学ぶ数学を垣間見させてくれるのもnice。もっとも、講義を聞くことは必須ではない。教科書の記述だけで十分理解できた箇所は、聞き流したり飛ばしてしまってもOK。
本書の最大の難点は、その分厚さだろう。1000ページ弱、ちょっとした辞書のような外観で、日常的に持ち歩くのは大変。本書と同内容の「聞いてしまえばとっても簡単」シリーズは持ち歩きにも適しているが、全て揃えると本書の倍の価格になる。自宅学習派は本書、持ち歩きたい人は「聞いてしまえば〜」の方を選ぶのが良いと思う。